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ゲンノショウコ 徳島県小松島市  2004.9.24

 後ろの黄色の花はダイコンソウ。


ゲンノショウコ

 これは数多い薬草の中でも、最もよく一般の人にも知られ、用いられてきたものと言われています。
実物が咲いているのを見たことがない人でも、名前は聞いたことがあるという人は多いはずです。

 薬用植物辞典によれば、「古来、整腸剤としてその効果は実に理想的といっても過言でない。
腹痛、胃痛、急性腸炎などに効果あり、胃の弱い人にも常用すると最も適当」などと記されています。効果がすぐに「証拠として現われる」ことから、ゲン(現)ノ ショウコという名がついているし、「医者いらず」という別名もあるほどです。

なお、この植物の学名に、Geranium (ゲラニウム)という語が含まれています。
*)これはギリシャ語で、ゲラノス geranos と書き、「鶴」という意味で、花の終わったあとの実が、鶴のくちばしのような形だからです。

花屋さんでたいてい見られるし多くの家庭でもジェラニウムとして知られている花はこれと同じ仲間です。

 この植物は野生でかなり高い山から平地にも見られます。わが家には野生化してずっと以前から咲いています。
剣山付近の赤い花のゲンノショウコや印象的で、神戸の六甲山でもやはりその赤い花が美しい姿をみせているのに出会ったことがあります。


 そしてこの仲間は、これより花も大きくて、美しいものもあります。
徳島県の山好きな人ならたいてい知っているのは、四国第二の高峰である、剣山付近の高山によく見られる、シコクフウロです。
7月〜8月に剣山に登ると、標高1500メートル以上の付近ではシコクフウロが多く見られ、サラシナショウマやオタカラコウ、レイジンソウなどと共に、剣山のお花畑でよく目立つものです。
 
植物はその花が美しく、またケヤキやスギ、マツなど大木となると、樹木の形自体が力強く美しいのもあり、また食べて食物となり、また香りもあったり、葉の色も心を安らわせ、酸素を生み出し、さらにしばしばこのゲンノショウコのように薬用にもなります。
そのうえ、強い風のときには、心を引き締めるような重厚な音楽を奏でてくれます。
先日の台風のときに裏山に登ったとき、山全体の木々が壮大な音楽を奏でて圧倒的な力で私に迫ってきて、神の力の果てしないことを実感させてくれました。
植物は沈黙を保ちつつもこのように実に多様な働きをもっているのは、神の手作りの作品で、そこに無限の内容がこめられているからです。
*)学名とは、ラテン語を主として用いたもので、世界共通の名で、属名と種小名、命名者からなっています。ゲンノショウコの学名は、Geranium thunbergii SIEB.et.ZUCC で、Geranium が属名です。なお、ゲンノショウコというのは、学名でなく、標準和名といいます。

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