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ハマナス             北海道にて       2008.7.17

ハマナス

夏の北海道など北国ではよく見られるバラのなかまで、野ばらのうちではとくに美しいものだと言えます。 今年の夏に、小樽から日本海側の道を通って、南部にある瀬棚方面に向かう道で出会ったものです。
紅紫色の花の大きさは10センチほどもあり、実は赤く食べられるものです。ハマナスというのは、この実の形がナス、あるいはナシに似ているということでハマナス、またはハマナシという名になったと説明されています。バラというと普通は園芸種の大きな花を思いだして、実が食べられるといったことは思わないのですが、バラ科の植物には食べられるものが多くあります。キイチゴの仲間は、よく知られているモミジイチゴのほかにもたくさんありますが、これもバラ科、梅やサクランボ、リンゴなどもバラ科です。

私がまだ大学二年のころの夏休み、北海道のほとんど山ばかりを歩いたときに、礼文島にも立ち寄ったときに親切に宿泊を提供して下さったKさんが、数年前に、ご自分の家のすぐ裏に自生しているハマナスをわざわざおくってくださったのですが、それが今年は花を咲かせ、実もなって、徳島の真夏の暑さにも耐えて最北端の島からのメッセージを送ってくれたのです。 
 この世のさまざまの混乱した状況にあって、こうした自然の純粋な美しさは私たちの心に天からの水を流してくれるような気がします。(写真、文ともに T.YOSHIMURA

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