ナルコユリ (鳴子百合)


ナルコユリ (鳴子百合) 

ナルコユリ (鳴子百合) 

  愛媛県佐田岬半島     2007.5.14

 
福岡県の妻の実家に行った帰り、九州に向かって四国から長くのびている佐田岬半島を徳島に帰る途中、長距離の車の運転に疲れて少しだけ近辺の植物を調べてみようとしたのです。すると、このようなナルコユリとの出会いが与えられました。
  
もう数十年前に、北アルプスのふもとの地方にてナルコユリを見たことがありましたが、そのときはすでに花がほとんど終わっていた頃であったので、このようにちょうどすべての花が咲き揃っているのは初めて見たものです。

 四国の西端の佐田岬から、わが家のある徳島県東部の小松島市まで、ほぼ300キロの道のりの途中を、すこしだけ車を降りて山道を歩いたときに、ちょうどこのような稀にしか出会わない野草との出会いが与えられたので、これは神が与えて下さったものと感謝したことです。
 
なお、アマドコロがよくこのナルコユリと間違えられ、花屋でアマドコロをナルコユリと名札を付けて販売されていることがあります。アマドコロは葉の幅が広く、草丈もせいぜい3080cmほど、花は、12個ずつ付きます。ナルコユリは、高さは50cm130cmほどにもなり、花も35個ほどの花を付けます。全体の感じもかなり違っています。花屋でよく見かけるのはアマドコロのほうです。
 
このような美しい花がいつ、いかにしてこの場所に育つようになったのか、もちろん誰も分かりません。多くの地味な花しか咲かせない植物たちのただなかにこのような特別に心を惹くような花が人知れず配置されていること、そこに神がこの見える世界の所々にアクセントをつけるように創造されていることを感じます。
 
私たちも、生活のなかで、さまざまの人に出会い、書物を通して過去のすぐれた人に接し、あるいは病気や困難な出来事にも遭遇しますが、そうしたことも神がなさる私たちへの一種のしるしであり、それを通して私たちはそれらすべてをなされる背後に神の愛の御手があることを知らされるのです。

前へ

戻る

次へ

2007年5月