トサミズキ

トサミズキ

トサミズキ (マンサク科)   わが家の庭にて2005.3.11

春を真っ先に告げるように咲くので、今頃にはことに心に残る樹木の花です。
一つの花の房に七~八個の花がついて、穂のようになり、垂れ下がって咲きます。これは自生しているものが、高知県の一部に見られるのでこのような名前になっています。
山で一番早く、2月ころから咲き始めるのは、マンサクです。
私はかつて京都北山を歩いたとき、まだ木々の芽も出ていない春先に、その花があちこちに静かに咲いているのに出会ってとても印象的でした。
このトサミズキも、マンサク科の植物で、色もともに黄色です。
ほかにレンギョウ、オウバイ、サンシュユなど早春に花を咲かせるものには黄色い花が多く見られます。

土佐ミズキサンシュユも咲きて黄を競う(水原秋桜子)梅やスイセン、そしてこのトサミズキのように、寒いころ、あるいは春先に咲かせる花は、春を待ち望む心を表しているとともに、厳しい寒さを超えてようやく暖かい春が来た喜びをも感じさせてくれます。

こうした到来の喜びというのは、聖書においても、主イエスが来られた喜びというかたちで強調されています。
暗く、厳しい状況に置かれていた人の心に、ようやく神の愛の日差しを感じるようになった、それがキリストの到来を喜ぶ人の心だったのです。
そして今日でも、さまざまの苦しみや問題によって、寒さのために芽も出すことができない植物のように動きがとれなくなっている方々はたくさんいます。そうした人の心に、神の国からの春を告げる日が射してくることを待ち望みます。
(文・写真ともに T.YOSHIMURA

 

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2005年3月