ジロボウエンゴサク

ジロボウエンゴサク

ジロボウエンゴサク Ⅱ  徳島県海部郡日和佐町  2004.4.6

 
この野草らしい赤紫の可憐なたたずまいの花は、私のすんでいる小松島市や徳島市周辺の山々ではわずかしか見られないのですが、徳島市から南へ50キロほどの日和佐町などには山沿いなどでわりあい多く見られます。
先日も日和佐からさらに30キロ南への地方に家庭集会での聖書講話に行ったとき、その帰り道で見出したのがこの写真です。
 
変った名前ですが、ジロボウ(次郎坊)とは、タロボウ(太郎坊)に対する言葉で、スミレのことをタロボウと言っていた地方があり、それと同じ季節でしかも色、形もよく似た(*)この花を弟分と見て、ジロボウといったということです。
そして、エンゴサクとは、この仲間の根を漢方薬として用いていて、その名前がエンゴサク(延胡索)というものです。
 
スミレとジロボウエンゴサク、この二つはたしかに春にとても目立つ美しい、野草らしい花です。

 私はジロボウエンゴサクの花を見ると、かつて何回も登ったことのある、四国第二の高峰である剣山(標高1955m)とすぐとなりにある、ジロウギュウ(標高1925m)という山を思い出します。
剣山もむかしは一部でタロウギュウといい、そのすぐとなりに高くそびえる山をジロウギュウといったといわれています。
ジロウギュウは、四国でも屈指の秀麗な山容で、剣山に立つときとくに目立つものです。
*)距(きょ)があるところも、スミレと同じである。距とは、花のうしろについている尾のような細長い部分。

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2004年4月