シラネアオイ(白根葵)       秋田駒ヶ岳 (標高1637m 2013.7.19
シラネアオイ(白根葵)       秋田駒ヶ岳 (標高1637m 2013.7.19

このような大きく美しい花が咲いているということに新鮮な驚きを感じたものです。

これは、日光白根山(標高2578m)に多かったこと、花がタチアオイに似ているということから、この名があります。

日本の中部以北の山岳地帯に自生するもので7センチほどの薄紫の、大きく美しい花です。

これは、秋田駒ヶ岳の急な下りを降りていくときに見いだしたものです。その柔らかな色調と、ゆったりした花の姿は、見るものの心を清め、あたためてくれるものがあります。

本州中部以南の暖かい地方では見られないために、私は高山植物図鑑だけでしか見たことのない花でしたが、じっさいに、東北の山中で見たときにはとくに印象に残ったものです。

ねがわくば、このような良き自然の芸術作品が、今後とも保護され、長く訪れる人の目と心に、神の国のたたずまいを告げて欲しいものだと思います。

ほかのことでは神の愛なと感じられないと思われる人たちにも、どことなくこの花の背後から、私たちに語りかける愛の神を感じるのではないかと思うのです。

この花は、東北の高山に咲いていたものであり、長い冬の氷雪や激しい風雨などにも耐えて生き残ってきた植物です。

そのような厳しい自然のなかにこのような柔らかな雰囲気を漂わせた花が咲くことの不思議を感じます。

神の創造のわざは、つねに人間が生み出すものをはるかに超えたものです。

このように、この世の汚れにまったく染むことなく生きている植物たち、その花やその存在に接するときには、私たちの心のなかにも、そうした花がとどまってくれるように思われます。 (写真ともT.YOSHIMURA

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