ウコンウツギの群生(手前の白い花はカラマツソウ)(この写真)
ウコンウツギの群生(手前の白い花はカラマツソウ)(次の写真)
 

この花は、大雪山(黒岳)の標高1500メートルあたりから、咲いています。私は、44年前の夏、この写真の撮影時期とほぼ同じときに大雪山系を縦走したのですが、そのときには今のように植物についての知識もなく、さらに、ロープウェイやリフトもなく、ふもとから重いリュックを背負って長距離を登っていかねばならなかったため、ゆっくり草花を味わうゆとりが持てなかったのです。

 しかし、今回は、リフトを降りたところにすぐ咲いていて、私の目に最初に強く入ってきた花でした。そこからだいぶ登っていくと、下の写真のように山の斜面に大群落を見せていて、北の高山の厳しい環境を喜んで咲き、創造主たる神への賛美を繰り広げているように感じたのです。

 この植物の名前にある ウコン(鬱金)とは、インドなどの熱帯アジア原産の多年草で、ショウガの仲間です。その根茎を薬用、また香辛料や染料として古くから利用されてきました。このウコンで染めた色は深みのある黄色です。そこから、このウツギの名前も作られています。なお、桜の仲間にも、ウコンといって黄色の花を咲かせるものがあります。「ウコン色の花を咲かせるウツギ」 といった意味です。

 
今回掲載したウコンウツギは、高さは12m程度で、分布は、岩手や青森の山岳地帯、そして北海道やシベリアに至る北方にみられる樹木。本州に住む大多数の人にとって、この花を実際に見ることはできないわけで、ここ大雪山にては豊かに咲いているのを見ることができたのは恵みでした。このウツギの仲間は、四国でもヤブウツギ、ハコネウツギなどありますが、下の写真にあるような一面に咲いている群生などは見たことのないものでした。 寒さ厳しいなかを好んで咲くこのような樹木の花、ここにも神の創造の豊かさを知らされるのです。 (文、写真とも T.YOSHIMURA

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