ソバナ (岨菜 ・ キキョウ科) 伊吹山 2010.8.6

ソバナは、夏の山地に時折見かける花で、その青紫のキキョウの仲間であることはすぐにわかります。名前のソバ (岨)とは、けわしい崖を意味する言葉で、この写真のソバナも崖で咲いていたものです。伊吹山は標高1377m、それほど高いとは言えない山ですが、高山植物といえるものが多くみられます。しかし、このソバナは伊吹山の頂上周辺にもほとんど見かけなくて、やや離れたところで見いだしたものです。ツリガネニンジンと似ていますが、ソバナは、葉が茎から互ちがいに出る(互生)に対して、ツリガネニンジンは輪生であること、ソバナの花びらは先端が反り返らないなどの違いがあります。この花は、秋らしいさわやかな色合いと雰囲気をたたえています。近くに見える赤い茎と細い花は、アカソ(赤麻)といい、伊吹山では群落をなしていて広くみられます。 一つ一つの花は、沈黙のなかに、声ならぬ声をもって語りかけていますし、山道に咲くさまざまの花たちは、全体として創造主をたたえ、私たちにも共に加わるようにと霊的なコーラスをしていると感じられます。(写真、文ともT.YOSHIMURA

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