ニリンソウ(二輪草)   キンポウゲ科 伊吹山 2011.6.2

このニリンソウは、伊吹山(標高1377m)の頂上に近い一帯でたくさん咲いています。 このように、茎を取り巻く葉から一つ、または二つの花が咲きます。草丈は20cm前後、花の大きさは2cmほどで、多くは白色ですが、このようにうっすらと赤くなるものもあります。

 樹林の下草のように、群生しています。まだ、ほかの多くの野草たちは、新芽をどんどん伸ばし、夏に花を咲かせるための成長期にあり、花を咲かせているのはこのニリンソウやイチリンソウ、あるいはユキザサ、イブキガラシなど少ない時期です。

 この花は、 春の花らしい繊細さ、静けさをたたえた花で、山麓では、3月から咲き始め、春の到来を告げる花として愛されています。頂上に近いところでは、平地より8度ほど気温が低く、まだ平地の春のような状態なので、この花も多く咲いています。  

 こうした野草の姿は、その清い美しさによって私たちに神の国を指し示す花として感じられます。 (写真、文: T.YOSHIMURA

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