ハクサンイチゲ (白山一花)
キンポウゲ科 月山にて 2010.7.30

 ハクサンイチゲ (白山一花)キンポウゲ科月山にて 2010.7.30

この純白の花は、月山の頂上への急な上りの道に咲いていたものです。付近にはまだ雪渓が一部残っている状態で、この花は、本州中部の高山に咲く野草です。キンポウゲ科の花は、葉がこのような切れ込みのある形をしているのが多く、カラマツソウの仲間や、チシマノキンバイソウ(千島金梅草)、ニリンソウなど美しい花も多くあります。

白山にちなんで名付けられていて、イチゲとは、一花と書きます。

高さは、15cm40cmほど、花の直径は2cm 程度です。雪が溶けるころに咲き始め、大きな群落をつくって咲くのも見られます。全く人間の手が入っていないこのような寒冷地の高山の野草、その白さは、またとくに心を惹くものがあります。

空の星、野の花といいますが、とくにこうした東北の高い山々に咲く花は、人の汚れを全く知らない天の国の清められた純白を感じさせるものがあります。

この月山に登ったときには、雨が降るとの予想で、午後でもあり、登る人もほとんどおらず、静寂のなかでこうした神の直接の御手になる植物たちとの交流を与えられたのです。

周囲の緑の草原状の山の斜面には、あちこちにニッコウキスゲやコバイケイソウ、モミジカラマツなどが見られ、野草たちの声なきシンフォニーが奏でられていました。

そして、どうしてこのような、清くて美しい花々が、はるか昔から、だれも人間が登らないような所でも咲き続けてきたのか、その不思議さにも打たれるのです。

神は、こうして予想もしないところに、まただれも見ることのないようなところにも、その万能の御手によって完全な美をたたえたものを配置されているのです。人間の世界にも、私たちの気付かないところに、神のわざなるそうした清い心を蒔いて育てておられるのだと思ったのです。(写真、文ともT.YOSHIMURA

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