イブキトラノオ       伊吹山にて     2017.8.28 

  イブキトラノオは、私の住む徳島県の剣山(1955m)にも見られ、いまから50年ほど昔にのぼったときに、だれもいない高原ですらりと花茎を立てて咲いている姿を初めて目にし、それ以来忘れられない植物です。  

最初に伊吹山で見いだされ、またこの山にとくに多いと思われたゆえに、名前にイブキが付いていますが、ほかの山々にもよく見られるものです。

トラオノという名前の植物は、ほかにもいろいろあり、園芸用として親しまれるカクトラノオ(ハナトラノオ)、また山野に見られるオカトラノオ、ルリトラノオ…。

この写真は、滋賀県と岐阜県の境にある伊吹山(1377m)の山頂付近に咲いていたものです。淡いピンクの花があちこちに咲いているのは、カワラナデシコです。

遠くに山々をのぞむ山頂部にあって、澄んだ大気のなか、青いやまなみを展望しつつ、素朴な美しさをもって咲いています。 この花の姿を見ていると、私たちも、さまざまの汚れのある現実の世界だけを見つめるのでなく、つねにこうした 高みに引き上げられ、神の御手による、清くて美しい世界に置かれて、清澄な大気を取り入れつつ、心の目で見つめていなければーと思わされます。   (写真・文ともT.YOSHIMURA)文、写真ともT.YOSHIMURA
イブキトラノオ 伊吹山にて 2017.8.28 
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