関根正雄訳では、「神の霊風」が吹いていたと訳され、英訳聖書でもカトリックとプロテスタントの代表的な訳の一つとされている New Jerusalem Bible や New Revised Standard
Version が、次のように神の風、神からの風 と訳している。
・a divine wind sweeping
over the waters. (Gen 1:2 NJB)
・a wind from God
swept over the face of the waters. (Gen 1:2 NRS) この訳の以前の版(Revised Standard Version-RSV)は、 the Spirit
of God was moving over the face of the waters. (Gen 1:2 RSV)であったが、改訂版(NRSV)ではこのように、wind from God(神からの風)と訳が変えられているのは、霊が動いていたというより、神の聖なる風が吹いていたという意味がより本来の意味に近いとされたからであろう。じっさい私たちにも、霊が動いていた―と言われてもどのような状態なのか、はっきりとしたイメージを浮かべることは困難であるが、神の聖なる風(divine wind)が吹いていた―という表現のほうがより明確な意味が伝わってくる。