休憩室 1999/10

秋になると、野山ではいろいろの野草の花が見られます。花というと春を思い出す人が多いようですが、野山には春にもまけないほどにいろいろな野草が花を咲かせて、神の創造のわざを見させてくれます。
  秋を告げる強力なメッセージとなっているのがヒガンバナです。この花は日本では、あまり好まれてこなかったのですが、最近では、海外では鑑賞用の花として用いられ、日本でも、次第に秋の代表的な花の一つとして取り上げられることが多くなっています。

 キツネノカミソリとかナツズイセンという美しい野草もヒガンバナ科ですが、それらの花は愛好されているのに、ヒガンバナだけが、いろいろな不当な誤解によって仲間外れにされている感があります。スイセンもヒガンバナ科なのですが、こちらのほうはだれでもに好かれる花となっています。
 私は以前に、学校でヒガンバナの球根が含むデンプンやリコリン(アルカロイド)のことを教える理科実験のために、毎年近くの小川の側から採取していたことがあり、それを自宅にも植えてあります。毎年きちんとその美しい花を咲かせて周囲の緑と鮮やかなコントラストを見せてくれます。あぜ道や小川のふちにその印象的な赤い花を咲かせるのですが、近年は小川の改修やあぜ道の拡大などでつぎつぎと住む場所が狭くされていきつつあるのは残念なことです。

 また、秋の野山には、野菊といわれる野生のキクがいろいろと見られるようになります。多いのは、ヤマシロギクです。これは、野に一番多い野菊であるヨメナの花びらを白くしたようなものなので、シロヨメナとも言われますが、この花が山道のあちこちに咲くようになると、いかにも秋の山だという感を与えてくれます。 

 それから同じ白い野菊でも、シラヤマギクというのは、野菊の葉とは思えないような葉を茎の下のほうにつけ、白い舌状花もややまばらにつき、山深い所でひっそりと咲いている感じがして山の秋を知らせてくれる野草の一つです。

アサギマダラ

 先日、わが家のそばで美しいアサギマダラがその独特の飛びかたでゆったりと飛んでいるのが見られました。二年ぶりくらいに見たものです。それがまたその翌日、こんどは家の庭の青い花に蜜を吸っていたのが見られました。

 小学生のとき、アサギマダラを初めて見つけたときの感動を今も覚えています。徳島ではめったに見られないチョウだったからです。

 その後、愛媛県にて関西の最高峰の石槌山(標高一九八一米)を数日かけて縦走していたとき、その稜線にて何度か見つけ、このチョウが高い山を好むのを知りました。その後、剣山にても四国では珍しいすらりと高く、美しい
クガイソウ(ナンゴククガイソウ)の花に群がっているのを見る機会がありました。わずか一匹のチョウとの出会いであっても、その姿形の美しさに触れて神の創造の神秘の一端に触れさせていただく思いがします。


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