心の傷 2000-1 -009-2
どんな人でも、人に言えないような深い心の傷、あるいは悩みをその生涯のいつかにおいて持つと言えよう。それはすでに子供のときから、心に刻み込まれることもある。その傷や悩み、またある種の闇のようなものを持ち続けて、人は生きている。
私は今までにも、何人かの人たちから、今までの生涯を振り返ってどうしても赦せないという気持ちから離れられないと打ち明けられたことがある。忘れたとか赦したと思っても、何かのときにかつて受けた心の傷がまだ癒されていないのを感じる、それはまだ赦すことができていないのだと知らされると言われた。
しかし、そうした私たちの心の傷や、どうすることもできない弱さを抱えている心のなかにこそ、主の憐れみがしみとおるような気がする。
まことに、彼はわれわれの病を負い、
われわれの悲しみをになった。
(旧約聖書・イザヤ書五十三・4より)
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