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027-01-6-2

天地に満ちているもの

主よ、あなたの慈しみは天に至り、
あなたの真実は雲にまでおよぶ。
あなたの正義は大いなる山のよう、
あなたの公正は深き淵のようだ。・中ヲ

あなたの恵みは何と尊いことか
人の子らはあなたの翼の陰に身を寄せる。(旧約聖書・詩篇三十六より)

 近ごろのさまざまの異様な事件は、私たちの心を曇らせる。
 こうした出来事が大々的にマスコミや新聞で報道されると、いっそうそうした悪の霊的な力が国民に迫ってくる。こうしたニュースを見つめるほど、悪の力を人々は実感して、それに打ち勝とうとする力は弱められ、悪に勝利する力があるという確信などが打ち消される方向に働くだろう。
 悪の力を弱めるには、それを見つめていても何にもならない。悪の力を弱くするには、悪と反対の真実や清いもの、真実なものを見つめることだ。このことは、私たちが日常の生活で実際に体験できることである。例えば、私たちに悪意をもってくる人のことを嫌悪や憎しみで見つめていても、その悪は弱くはならず、かえって私たちの心に巣くってしまう。
 しかし私たちがそれと逆の方向、真実な愛と清さに満ちた存在(神)を見つめるとき、悪の力はいつしか弱まっていくのを実感できる。そうして神の力を受けて始めて悪にも動かされないように変えられていく。
 この世の悪がこんなに蔓延しているのに、どうしたそんな清いもの、さわやかなものがあろうかと疑問を呈する人も多い。しかし、それは数千年前から同様であって、いつの時代にもそれぞれ悪ははびこり、弱い者は餌食とされ、病気に苦しめられてきた。しかしいかに闇が深くても、そのただ中から真実なもの、変わらぬ愛を見つめる人たちが起こされてきた。聖書はその記録である。
 はじめにあげた言葉は、旧約聖書の詩集である詩篇という書に収められている。

神の慈しみは天に至り、神の真実は雲に至る。

 今から数千年も昔にこのように深く、真実な愛、変わることなき心が天地に満ち、神の正義は不動の山、神の山のように変わることがないことを実感していた人がいた。それは驚くべきことである。
 このようなことは目に見える世界をいくら見てもわからない。科学技術をどんなに学んだり、用いてもこうした方面の確信を与えることはできない。
 しかし、神からの直接の示しを受けるときに、この作者と同じ実感を与えられるだろう。キリストが来られてからは、聖なる神の霊が与えられるようになり、その聖霊がこうした真理を教えてくれるようになった。
 これからの時代は、マスコミやインターネットなどで以前よりはるかに、移り変わる情報や間違った情報、あるいは心に暗い陰を落とすような情報が飛び交う状況が作られていく。そして多くの人たちがそれらに揺り動かされるだろう。
 そうした予測のつかない状況を前にして、そのような揺れ動いてやまないものでなく、動かない神の真実、天地に満ちている神の変わらぬ愛を、多くの人が実感しつつ歩んでいければと願っている。
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