リストボタン休憩室    2004/2

小鳥たち
わが家の前に、直径八〇センチ、高さ五〇センチほどの円柱状の水槽があります。そこに金魚を飼っているのですが、そこに水がいつも上まで入れてあります。
わが家の裏山は標高二〇〇メートルほどの低い山なので、谷にも水がほとんどない今の時期には、小鳥たちが朝から入れ代わり立ち代わり水を飲みにやってきます。
風もなく、暖かい日のときにはことにいろいろの小鳥がつぎつぎに来ます。キジバト、メジロ、ヒヨドリ、ヤマガラ、そしてふつうはなかなか人前に姿をみせないウグイス、それからこの辺では珍しいエナガなどです。
家に居るときは多くはないのですが、集中的に原稿を書いたりする日は終日在宅することもあり、そのときにはこうした小鳥たちが間近につぎつぎに見えるのはありがたいことです。
ウグイスは今は、ジッジッという地鳴きをして、低い茂みのなかを飛び回っているので、なかなかその姿は見えません。しかしこの水槽にはそばの茂みから突然現れてはひとしきり水を飲み、気持ちよさそうに水浴びをしてそれからさっと茂みに入っていきます。
また、ホオジロは水飲みにはまだ来ていないようですが、すぐ近くの木の梢にとまって、美しい歌を朝から歌ってくれることがときどきあります。
こうした小鳥たちの姿やたたずまいは、おそらく誰にとっても心あたたまるもの、安らぐ風情があります。翼を与えられ、軽やかに飛び、そして美しい歌を歌うものもあり、私たちが神への信仰に生きるすがたを表しているように感じることがあります。


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