リストボタン休憩室  2005/7


北海道の植物
北海道南部の日本海側にある、瀬棚(奥尻島の対岸)というところで、瀬棚聖書集会が三泊四日で開催されました。そのうちの一日、夕食前の短い時間でしたが、生出正実(おいで)兄が近くの小高い山にある灯台まで車で案内して下さいました。徳島とは全く異なる涼しい海からの風、波、野草などに触れることができました。百年以上前に、函館から舟でこの地方に初めて本州からの人々が定着して、漁業や酪農などをはじめたときの困難さが偲ばれ、長い冬の厳しい気候と、店も医者もなく、食物の生産だけでも並大抵のことでなかったと思われます。 普通なら生活はできないような状況のなか、そうした人々も不思議な力に支えられて、今日の状況へと続いてきたのだと思います。
人間の出会う戦いは、自然との戦い、外部の人間との戦い、そして自分自身との戦いという、三つの戦いがありますが、北海道のような寒さの厳しく、長い期間続く土地においては、自然との戦いも現代の私たちには想像もできない困難なものであったと思われたことです。
そうした北国の生活の厳しさとは関わりなく、自然の、ことに植物の可憐な姿は神の人間への愛の配慮のように思われました。
海岸から切り立った崖に風に揺られて咲いていた薄黄色のキバナカワラマツバ(黄花河原松葉)、それは厳しい風の吹きすさぶところですが、そこでも夏のわずかの暖かいときに成長し、花を咲かせています。また、四国では見られない、オニシモツケという、小さな白い花をたくさん茎の先に咲かせる大型の野草、それからやはり白い花を多数つけるヤマブキショウマも時折車窓から見かけることができました。
またその四百メートル余りの山地付近で、ヨツバヒヨドリが咲いていたのも印象的でした。この植物は徳島県では、標高二千メートル近い剣山に近い山でわずかに見られる程度で、徳島では高山植物という感じを持っていました。ほとんどだれも目にとめる人もいない北国の山地で、こうした花は神の国を映すかのように咲いていたのです。
また、森林帯では、ところどころに大型の特徴ある葉をつけるホオノキが見られ、これは二十~三十メートルの巨木にもなるもので、これも四国では少ないのですが、北海道、東北ではあちこちに見られました。
それから、北海道の山あいの道で目立つのは、大型の植物です。ヨモギもオオヨモギが方々にあり、それは高さが二メートルほどにもなり、葉も大型です。イタドリも、オオイタドリといって、葉も四国で見るのよりはるかに大きく、草丈も二メートル~三メートルほどにもなっています。さらに、ウバユリもオオウバユリがよく見られます。それは全体に大型ですが、花も1020個も付けるので、四国のウバユリと違って元気に満ちた姿として感じられるものです。


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