リストボタン休憩室    2006/10

次の記事は、定期的に送られてくる国際的なニュース記事のコラム的な記事にあったものです。

オーストリア国で薬局名を見ると、「慈善深い兄弟の薬局」「聖母の薬局」「神のまなざしの薬局」「3位1体の薬局」など、キリスト教と密接な関係のある薬局名が多いことに気が付く。当方が以前住んでいた近くには、「神の摂理のための薬局」という名前がついた薬局があった。
 オーストリア薬局会の広報担当者は「昔は医薬メーカーなどは存在しなかった。カトリック教会側が修道院で薬草を調合して、病の信者たちに与えていた。薬局は修道院内の薬草保存場所を意味した。だから、その伝統を受けて呼称する薬局が多い。オーストリアだけではなく、ドイツなどキリスト教文化圏では神の名がついた薬局名が少なくない。もちろん、現代的な薬局名もある」と説明してくれた。
 同広報担当者によれば、ヨーロッパでは、病気を治療するのは薬ではなく、「神の癒し」によるものだという捉え方が依然、強いという。

・薬がなおすとか医者がなおす、あるいは自然治癒力がある、自分の努力でなおす、といった様々の表現があります。しかし、医者の能力、化学的に合成された薬や薬草の力といっても、そうした能力や力を与えたのは、神なのです。
神が万能であると信じるなら、それゆえに万物を創造し、今も支配していることは当然になります。現在支配していないような神なら、万能ではないからです。
人間の能力も化学反応を起こす物質の本性、あるいはそれらを支配している科学的法則もすべて神が創造し、いまもそれを支配しているわけです。だから、医者の技術であろうと、薬や薬草、あるいは自分の努力であろうとそうした力を与えた神がもとにあると言えますから、究極的には神の力によっていると言えます。

地名とキリスト教
アメリカ大陸にある地名を見ると、キリスト教と関係のある地名が多いのに驚かされます。
ロス・アンジェルスという地名は、Los Angels (ロス・アンヘルス)であって、スペイン語の 「天使たち」(英語では、the angels) です。 (los は、英語の the にあたる定冠詞で、複数形の男性名詞につく。女性複数名詞には、las となる。)
同じく、カルフォルニア州の都市で有名な、サンフランシスコは、キリスト教のフランシスコ会の修道士が創設者の聖フランシスコを街の名に付けたのが地名の由来となっています。
また、チリの首都でもあり、他にも十ほどもの地名となっている、サンティアゴ( Santiago) とは、スペイン語で聖ヤコブ(San Jacob)のことですが、発音が大きく違っているので、ヤコブとは思えないほとです。ブラジルの大都市サンパウロは、キリストの最大の弟子と言える、聖パウロのことです。
また、中央アメリカにある、エル・サルバドル(El Salvador)という国の名は、スペイン語で「救い主」を意味する語で、キリストのことなのです。(El は男性名詞単数につける定冠詞、Salvador は救い主の意で、英語には、語源的に関連した salvation 「救い」という語がある。)そして、この国の首都は、サン・サルバドルで、これは、「聖(San)救い主」という意味なのです。
また、キューバの南にある島国で、ドミニカという国があります。このドミニカという名は、後述するドミンゴと同様に、「主の日」という意味を持っています。そしてドミニカ共和国の首都は、サント・ドミンゴ(Santo Domingo)であり、Santoは、聖、 Domingo とは、「日曜日、主日」という意味ですから、この首都の名の意味は、「聖・日曜日」ということになります。この日曜日とか主日を Domingo というのは、ラテン語の「主」という言葉が、ドミヌス Dominus であり、それから生じた言葉だからです。
以上のような例はほんの一部にすぎません。最初に町を造ろうとした人達が、どんな名前を付けるか、それは人々の理想とか期待を象徴するものです。
次々と新しい町をつくるときに、キリストと関連ある名前を付けていったのは、キリストの祝福を求める心の一つの現れであったと思います。現代に生きる私たちも、日常に出会う物事、自然の風物にも絶えず、キリストとの関連を見出し、神の祝福を願う気持ちを持っていたいものです。


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