リストボタンことば    2007/4


261)深山は学識ある人を養い、羊飼いの野小屋は哲人を養う。

(「ドン・キホーテ」セルバンテス著 筑摩書房版 三一三頁 世界文学体系10
・ もし人が、心を神に向け、心を真理に向かって開いているならば、山々、森林、自然ゆたかな山小屋、そうしたものは、人間の魂を深め、真理への感受性を高める。そうした自然は、神の直接の被造物であるから、神ご自身のご意志がそのまま映し出されているからである。
しかし、実際には深山や野小屋にいることができない人が多数を占める。その場合でも、神とともに一人あるとき、それは深山や野の小屋にいるのに近いものとなり、神に養われる。主イエスもしばしば群衆を離れて一人山などに退いたとある。

262)人の心を征服するものは、決して武力ではなく、愛と気高い心である。(スピノザ著 「エティカ」中央公論社版 世界の名著 三三四頁)
Die Gemuter werden jedoch nicht durch Waffen,sondern durch Liebe und Edelmut besiegt.

・これは、新約聖書で言われている言葉に通じる内容である。 「あなたの敵が飢えていたら食べさせ、渇いていたら飲ませよ。そうすれば、燃える炭火を彼の頭に積むことになる。」 (ローマ書十二・20
燃える炭火を敵対する者の上に積むとは、相手の頭(心)に巣くう悪の根源を焼いてよきものにするということである。なお、現代では炭火など、弱々しい火力としか思えないが、石油、電気など何もなかった時代では、炭に激しく空気を送り込み燃焼させることで、鉱石をも溶かす千数百度の高熱を得ることができたので、当時としては最も強力な火を意味している。

263)ほんのわずかな嘘が入っていても、例えば、虚栄心のかすかな現れ、印象をよくしよう、外観を有利にしようというような考えでも、ただちによい働きを台なしにしてしまうものである。
ところが、真実を語れば、すべての自然と霊とが思いもかけぬほどに後押しをして助けてくれるのである。真実を語れば、生あるもの、理性を持たぬもの、すべてのものがこぞって証人となり、足もとの草の根すら実際に身動きし、証言してくれそうに思える。(「エマソン論文集」上 岩波書店 一五七頁)

・ここには、真実の強い力が現されている。何らかの虚偽は至るところでなされているだろう。最近の原発事故を隠していたこと、政治家の不正、保険会社の巨額の未払い保険金、プロ野球会で、新人選手を許されない方法で多額の契約金を用いて獲得していたで等々、新聞テレビのニュースには偽りが発覚したことをしばしば伝えている。不正は明るみに出されると大企業であってもたちまち崩れていくほどで、不正というものが本質的にものごとを支える力がないことを示している。
それに対して、真実は一見弱そうに見えても不思議な力を持っている。キリストの真実はいとも簡単に十字架で処刑されて滅ぼされたように見えたが、実はいかなるものよりも強力な力を長い歴史のなかで発揮してきた。それは、万能の神が背後で支えて助けるからである。
ここで地下の植物の根すらも真実を助けようとして動き出すように感じる、というのは、目には見えないようなものですらも真実には敏感に反応して助けようとすることを象徴的にのべている。


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四月二四日(火)の移動夕拝は、吉野川市鴨島町の中川宅、五月二九日(火)の移動夕拝は、板野郡藍住町の奥住宅の予定。

五月六日(日)の香川県の集会は丸亀市の小林宅ですが、来月六月三日(日)は、高松市香川町浅野の塩田宅の予定です。 六月以降は、このように、特別な事情のないかぎり小林宅と塩田宅で交代で集会がなされる予定です。しかし、何らかの事情のために変更することもあり得ますので、この集会に参加希望の方は、その前日の土曜日か当日の朝、念のため吉村(孝)まで問い合わせください。
キリスト教霊園の清掃予定は、六月十日午後一時三十分からです。(月岡(信)兄の担当です)

訂正
三月号の、ことば(260)の出典が(同右 八九頁)とありましたが、これは、番号は、(259)の誤りで、出典は(「ドン・キホーテ」セルバンテス著 筑摩書房版 八九頁 世界文学体系10)でした。
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徳島聖書キリスト集会案内
・場所は、徳島市南田宮一丁目一の47 徳島市バス東田宮下車徒歩四分。
(一)主日礼拝 毎日曜午前十時30分~(二)夕拝 毎火曜夜七時30分から。 毎月最後の火曜日の夕拝は移動夕拝で場所が変わります。(場所は、徳島市国府町いのちのさと作業所、吉野川市鴨島町の中川宅、板野郡藍住町の奥住宅、徳島市二軒屋町の熊井宅)です。
その他、読書会が毎月第三日曜日午後一時半より、土曜日の午後二時からの手話と植物、聖書の会、水曜日午後一時からの集会が集会場にて。また家庭集会は、板野郡北島町の戸川宅(毎週月曜日午後一時よりと水曜日夜七時三十分よりの二回)、海部郡海陽町の讃美堂・数度宅 第二火曜日午前十時より)、徳島市国府町(毎月第一、第三木曜日午後七時三十分より「いのちのさと」作業所)、板野郡藍住町の美容サロン・ルカ(笠原宅)、徳島市応神町の天宝堂(綱野宅)、徳島市庄町の鈴木ハリ治療院などで行われています。また祈祷会が月二回あり、毎月一度、徳島大学病院8階個室での集まりもあります。問い合わせは次へ。 ・代表者(吉村)宅 電話 050-1376-3017
FAX 08853-2-3017
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著者・発行人 吉村孝雄 〒七七三ー 〇〇一五 小松島市中田町字西山九一の一四 電話 050-1376-3017 「いのちの水」協力費 一年 五百円(但し負担随意) 
郵便振替口座 〇一六三〇ー五ー五五九〇四 加入者名 徳島聖書キリスト集会 協力費は、郵便振替口座か定額小為替、または普通為替で編集者あてに送って下さい。
(これらは、いずれも郵便局で扱っています。) E-mail:pistis7ty@hotmail.com http://pistis.jp FAX 08853-2-3017


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