虫の音

秋の夜道を歩く。
マツムシ、スズムシ、ツヅレサセコオロギ、エンマコオロギ等々、いろいろな虫の音が聞こえる。それらの鳴き声は、それぞれに意味深い。聞く者に何かを語りかけている。
神の創造を賛美している、私たちに、どんなところでもだれも聞いていなくとも、歌い続けるようにとのすすめをも感じる。また、自分が気付かない罪、なすべきことを思い起こさせようとする警告のようにも聞こえる。
また、あの薄い小さな柔らかい羽で、驚くべき美しい金属音のような音を生み出すことへの驚き、人間がどんなにあの羽をこすっても到底出せそうもない。神の御手が臨むとき、あのような小さなとるに足らないものも楽器になるのである。
私たちも小さな取るに足らない者であるが、神の力を受けるときには、神の国の賛美を奏でる一つの小さき楽器となることができる。


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