詩文集 第11集
〔ひかりよ〕
二〇〇九年八月一日


リストボタンひかりよ

あなたの太陽は再び沈むことなく
あなたの月は欠けることがない。
主があなたの永遠の光となり
あなたの嘆きの日々は終わる。

              イザヤ書六十章二十節
ひかりよ

曇りの日も
晴れた日も
明るい昼間も
闇の夜も
見上げれば天のひかり清く輝く

思いも
痛みも
憂いも
自我も
ひかりに包まれると
安心して解けていく

このひかりだけを見つめていく
名前を呼ぶ

イエス様
イエス様

この方の
名前を呼ぶと
ひかりが見えてくる
呼び続けると
こころに
ひかりが差してくる

そのときには
わからなくても
それでもひかりは差している

リストボタン甘夏の実

夕暮れの山裾に
ぽっと灯されたまあるいあかり
よく見れば、
大きな甘夏の実
夜が来ると
きっとここだけ明るいんだろうね
あかりがあるから

一生はとても短い
毎日毎日が驚くはやさですぎて行く
それならば
だれかにぽっと
あたたかいあかりを
配って歩けたらうれしいね
無理かな
無理じゃないよ
神様が共にいて下さるのだもの

山裾に光る甘夏の実
生かされていることに感謝
今、おかれているところに感謝
みんなで元気に
生きていこう

リストボタン小さな天使

小さな天使が
わたしを守る

思い上がるとき
うなだれるとき
わたしの肩に乗っかって
間違ってるよと
そっとささやく
罪と赦しを示しながら
小さな天使は
どんなときでも
歌ってくれる

リストボタンタンポポ

春のひかりが
タンポポの花を咲かせました。
小さな話し声が聞こえてきます。
「春が来たね。」
「そうだね。春が来たね。」
「暖かくなったね。」
「やっとね。」
「日が長くなったよ。」
「うれしいね。」

 地の中で冬が過ぎるのをじっと待っていた。
 神様の時はきっと来る!と。

リストボタン特別

特別に赦してくださり
特別に愛してくださり
特別に語りかけてくださる
主よ
ありがとうございます。
あなたはわたしを特別に愛してくださる
そして
すべての人を
特別に愛しておられる

リストボタンイチョウの木

街路樹のイチョウの木
金色に燃えて
道行く人に差し出された
燭台のともしび
通りゆく者
この光を見よと
すべての人に差し出された
主の光

リストボタン夜の病棟

静まりかえった深夜の病棟は
まるで、ひとつの大きな船
夜という海の上を
静かに進んでいく

目を閉じて横たわる患者さんと
そっと見回りに行くナースと
ひとつの船に乗りながら
誰もがじっと朝を待つ

リストボタン光よ

元気のない患者さんたちには
少しでも笑っていてほしいと思う
それで
わたしも
笑いかける

沈んだ顔からふとこぼれるほほえみは
暗雲のすき間から差す一条の光

そのまま、笑顔が消えることのないように
そのまま、闇が押し寄せてこないように

光よ!笑顔をお守りください

リストボタン山の木々

風になんて言ってもらったの?
そんなにうれしそうに
体を揺らして
踊って
歌って
祈って

神様になんて言ってもらったの?

リストボタン光・・・聖書の言葉から

神は言われた。
 「光あれ。」こうして、光があった。     創世記一章三節

だから、あなたの中にある光が
   消えていないか調べなさい。      ルカ福音書十一章三十五節


あなたがたは、以前には暗闇でしたが、
 今は主に結ばれて、光となっています。
  光の子として歩みなさい。
――光から、あらゆる善意と正義と真実とが生じるのです。――
               エフェソ人への手紙  五章八、九節

・・・聖書はひかりで満ちている。

リストボタン夜勤

朝の来ない夜はないはずだけれど
深夜勤務の前は
心に朝日は見えない
眠れなくて
仮眠がとれないまま出勤する時は
体と心の重苦しさに
朝は見えず
更衣室に続く廊下は
あかりがついていても気持ちは暗い

重い足取りでたどり着く
ナースステーション
けれど心電図モニターの音に
気が引き締まる
引き継ぎを受けて
夜勤が始まる
病院の夜は
何が起こるかわからない

二時、三時、四時と時が過ぎ
窓の外が明るくなる
朝の来ない夜はない
朝の来ない夜はない

おはようございます
眠れましたかと
病室を回る
ああ、よかった。
神様に守られて
朝が来た

リストボタン月の光

月の光を
受け取ることができる気がして
思わず
窓から両手を差し出した
手のひらの中に
月の光
注がれてあふれてくる

これを
みんなに
届けに行こう

リストボタン精神科病棟三年目

何という大変な世界
でも
もう少し歩いていきたいこの道

何という苦しい病気
でも
きっとよくなると願い続ける

何という関わりの難しさ
でも
神様が共にいてくださるから

ここがわたしの居場所
ここでわたしは主に出会う

リストボタン土手の道

秋に美しいススキが輝き
冬には静かな枯れ草色で覆われ
また春が来て
新しい緑色が萌え出たと思ったら
光のような菜の花の道となり
優しい香りを放っていた
吉野川の土手の道

白い泡のようなヒメジョオンの花が咲き
夏を迎える。

まっすぐなこの道は
通るたびに姿が変わる美しい道

神様に導かれていく
わたしたちの道も
喜び、悲しみ、痛みさえも
通るたびに美しかったと
過ぎ去ればよくわかる

リストボタンセイタカアワダチソウ

秋の夜空のきれいな月の
月のかけらをさらさらと
山辺の野原に降り注ぎ
静かに天使は去りました
輝く月のかけらから
山辺に花が咲きました
黄色いセイタカアワダチソウの花
月から届いた野辺の花
けれど黄色いこの花は
ほんとは夜空に帰りたい
遠い秋空ながめては
月の世界を思い出す

リストボタンお皿を洗う

お皿を洗う
また汚れるけど
また洗う
洗濯をする
また汚れるけど
また洗う
毎日の生活は
汚して洗うの繰り返し

心もそのままでは
すぐに汚れてしまうから
毎日
毎日
神様に洗っていただかないと!

リストボタン不思議

とても悔しくて
感情の川の流れに逆らえないとき
言い返してしまいたい一言が胸からあふれそうになる
そのときこそが分かれ道だ
イエス様に助けてもらって
静まってみる
よくない言葉ではなく
何かよきものをわたそう
小さなおくりもの
ちょっとした助けの手
明るい言葉
そして笑ってみる

魔法のような
手品のような
不思議の不思議

闇が消えて喜びが
不満ではなくて
歌があふれてくる

神様って
本当にすごいな

リストボタンススキ

こちらへおいでと
呼んでいる
ススキが光って呼んでいる
違う方へ
違う方へと
行こうとする心に

そちらにいっても
何もないんだよ
真実と
平和と幸福は
ただここにしかないと
ススキが
光って呼んでいる

リストボタン「風のトリーピス」クリスマス病む者同士

わたしは今
心の病で苦しむ方たちの中で
仕事をしているのだけれど
同じ痛み
同じ闇を知らされる
わたしは看護師として関わっているのだけれど
ほんとうは
同じ病む者同士なのだ
愛されたくて
癒されたくて
誰もが心で泣いている
主よ、癒してくださいと
叫ばなければならないのは
みんな同じなのだ

リストボタン「風のトリーピス」クリスマス こどものための人形劇

トリーピス わたしは風のトリーピス。神様の国からやってきたのよ。世界中を飛ん      でいるの。どこへだっていっちゃうよ。アマゾンの森の奥からヒマラヤ      のてっぺん、学校の中、それから、誰かの心の中南極大陸にだって一瞬      で行くんだよ。

歌・風のトリーピス 
 わたしはかぜのトリーピス。神様の心運びます
 わたしはかぜのトリーピス。いつもあなたを見ています

トリーピス  あらあらこのクマさんは何をこんなに困っているんでしょうね
       クマさんクマさん何をそんなに、必死の顔して困っているの
   
クマがイライラして出てくる

歌・どうしてこんなにいそがしい  
  どうしてこんなにわたしだけ

クマ   なんだい、風か。うるさいな。ちょっとじゃましないでくれないかな。大     雪が降って食べ物がなくなる前にあれも、これも、これも、あれも、いっ     ぱいしなくちゃならないんだ。お前さんのように気楽に空を飛んでるやつ     にはわからないよ。
トリーピス でも、ちっともうれしそうじゃないよ。ねえ、少しすわって神様の        お話ししない?
クマ   神様か。うん。ほんと、大事なことだよ。わかっているよ。それはわかっ     ているんだ。でも、とにかく今は、そんな気分でないので少し落ち着いて     からにするよ。神様のこと、わかっているからさ。それにしても、いそが     しい、いそがしい。ほんとうにイライラするよ。からだがもひとつほしい     もんだ。ああ、いそがしい、いそがしい。
トリーピス  クマさんわかったわ。それでも、あなたを見守っているからね

効果音風 
トリーピス  あらあら、あらいぐまさんどうしたの。きょうは川に出てこないと思っ       たら
歌・どうしてこんなに
 どうしてこんなにだめなのか
 どうしてこんなにおいらだけ

アライグマ  ああ、またやっちゃったよ。みんなにたのまれて、木の実を洗ってい       たのに。木の実をみんな落っことしてしまった。冬が来たのにみんな       に叱られる。帰りたくないなあ。ああ、俺はどうせ、洗えないあらい       ぐまさ。もう、こんな自分にうんざりだよ
トリーピス   あらいぐまさん、一緒に木の実をさがそうよ。みんなに正直にあや        まって、それから、神様にお祈りしようよ
アライグマ  お祈りねえ…こんなこと、急に始まったことでもないし。何度も神様       に祈ったさ。でもやっぱり失敗ばかり。どうせ、洗えないあらいぐ        まなんだから。神様もちょっとこんなおいらにあきれているのさ。ちょっ      とほっといてくれないかな
トリーピス  あらいぐまさんわかったわ。でも、いつもあなたを見ているわ

効果音風

トリーピス   まあ、ワニさん、そんなにころげまわらないで。ケガするわよ
ワニ    ああ、いやだいやだいやだ。このからだ。でこぼこで。この口、この目、      どこからみてもおれはこわいな。生き物食べなきゃ死んでしまうし。森      の嫌われ者さ。ああ、いやだいやだいやだあ。
トリーピス  ワニさんワニさん。
ワニ   風のトリーピスかい。そんなにきれいな声ではなしかけてもどうせおれは     こんなしわがれ声さ。おまえが小鳥なら食ってしまうかも知れないぞ。あ      あ、いやだいやだ。
トリーピス  ワニさん、ワニさんはそのように神様につくられているのだから、そ      のままですてきよ。
ワニ   へん!お前に何がわかるんだ。ちょっとほっといてくれよ。あっちへいけ。

歌・おれのきもちがおまえなんかにわかるはずがない
  おれのきもちがおまえなんかにわかるはずがない

トリーピス  わかったわ。でも、いつも見守っているわ。

全体に向かって

トリーピス みんなをいつも見守っているわ。いつもわたしはみんなと一緒にいるよ

歌・風のトリーピス
わたしは風のトリーピス。神様の心を運びます
わたしは風のトリーピス。いつもあなたを見ています

効果音風 
クマが歌いながら出てくる

歌・いつもいつも
いつもいつもいつも
ともにいてくださるイエス様
いつもいつもいつも
ともにいてくださるイエス様

クマ  なんだか不思議だなあ。あんなにイライラして働いていたのに。あの風のト    リーピスと話しをしたら気が楽になってきた。何をこんなに怒っていたん    だろう。自分ばっかりがはたらいていると思っていたなあ。それに、こうし    て木の実が今年も実ってありがたいなあ。焦ってしまって、なんだか神様     に守られてること忘れていたなあ
   「なくてならないものはただひとつ・・か」

あらいぐまが歌いながら出てくる

歌・いつもいつもいつも・・・

アライグマ  なんだか不思議だなあ。風のトリーピスと話しをして、ま、いっかて       おもえてきた。ぼくは一生懸命していたんだけどうまくできない。そ       れは、神様、知っていてくださるんだなあ。みんなにまたあやまろう。       こんなぼくのままでも。神様は赦して大事に思ってくれているってこ       と。なんだか急にわかってきた。うれしいな
       「弱いところに神様の力がはたらいてくださる」って!

歌・いつもいつもいつも・・・

ワニ ああ、なんてこったなんてこった。ああ、あの風のトリーピスがやってきた  らあとで声がきこえてきたさ。わたしの目にはおまえは高価で尊い。わたしはお  前を愛しているって。ああ、なんてこった。こんなおれはみんなに嫌われてると  思ったのにさあ。愛しているっていってくれたさあ。おまえは高価で尊いってさ 
 もうほんま涙がとまりませんわ。自分ではどうにもならなかった心を風のトリーピスが来て変えてくれたなあ。泣けるわ。

効果音風

トリーピス  わたしは風。どうしてトリーピスっていうかわかる?ぴんと来た人い      る?わたしの名前を反対から読んでみて。反対から読むとねスピリットっ
      ていうのよ。イエス様の風。聖霊なの。イエス様の風は思いのまんまに      吹いてね。暗い心、苦しい心を変えてくださるのよ。今も、風は吹いて      いる。そして、わたしは、呼ばれたらどこへでもどこまででも行くのよ。      きょうはクリスマス。みんなわたしを呼んでみて!!

リストボタン「天使の羽」      イースターでの子供のための人形劇

りり  わたしは天使のりり。こちらが、らら。ふたりで一緒に、きょうも神様に遣
    わされてやって来たのよ。神様にね、どこかで苦しんで、助けてって叫んで    いる人のところに遣わされているの。心の目を開いてね、神様のことをお知    らせするのがわたしたちのお仕事。苦しいことにも、必ず意味があるのよっ    て、心の中に知らせてあげるの。そして元気をあげるのよ。ほら、あそこに、    また、病気の子供がいるよ。わたしは行ってくるわ。
らら  りり、わたしは、あのいじめっ子のプンのところに行ってくるわ。さっきか    ら、いじわるばかりしている。花壇のお花を全部切ってしまったのもあの子    ね。

りり  あのいじめっ子のプンのところに?行かなくていいわよ、そんなところ。そ    れよりも、いじめられて泣いている子供のところに行ってあげなくっちゃ。    あのいじめっ子はわたしは嫌いよ
らら  りりにはわからないの?あの、プンの心の中に吹いている、とても暗い風。    とても寂しいのよ。
りり  でも、だからといって、いじめるのは間違っているわ。
らら  それはわかっているわ。でも、だから罰を与えるの?間違っている人は救わ    ないの?神様はそうおっしゃったの?わたしたちは、人を救うために遣わさ    れているのよ。

どこからか・・「 痛いよー痛いよー」

りり ほら、ごらんなさいよ。また、誰かに傷つけられて泣いている人がいる
らら りり、早く行ってあげてね。わたしはプンのところにいってくるわ
りり こんなに、苦しんでいる人がたくさんいるのに、わざわざ、そんないじめて喜   んでいる人のところに行く、あなたの気持ちがわからない。もういいわ

プンが花を踏んでいる

プン こんな花だって、どうせみんな枯れてしまう。友達だって、だあれも、本当に   わかってくれる人なんていないし。こうやって生きていて、何かいいことある   のかなあ。どうせおれはひとりっぼっちだし。ああ、もう、なんかいやだいや   だ。こんなお花もみんなだいきらい。

らら プンさん、こんにちは
プン おまえ、誰だ?わかってるよ。こんなことしたらだめっておこりにきたんだ    ろ。
らら おこりに来たんじゃないわ。わたしは天使のらら。わたしはあなたの心がわか   るのよ。ほんとうは、ずっと、ずっと、つらかったんでしょう。もう大丈夫よ。   だれも、あなたに罰を与えたりはしないのよ。もう、いいのよ。ね。もう、誰   もいじめなくてもいいのよ。神様はね、あなたを怒ってもいないし、罰も与え   ないって言ってくださっているのよ。ひとりじゃないのよ。愛されているのよ。

らら、だまってだきしめる

プン 天使さん。ごめんなさい。とても寂しかったんだ。だれもみんな嫌いだった。   自分で、自分がどうにもならなかったんだ。ごめんなさい。ずいぶん、ひどい   ことばかりしてきてしまった。天使さん、ごめんなさい。
らら あなたの罰はね、ぜんぶ、イエス様が身代わりに背負ってくださったのよ。
   大丈夫よ。
プン 天使さん、おれ、神様にずっと背いてきたんだ。自分でも自分がどうにもでき
   なくて、小さなものや弱いものをいじめてきたんだ。そんな自分が嫌でたまら   なかった。なんだかもう、疲れちゃったよ。イエス様がみがわりに罰を受けて   くださったって、そんなこと、よくわからない。
らら わかったわ。この羽を使いなさい。

天使は自分の羽をもぎとる

らら この羽をあなたの背中につけてあげるわ。目には見えないけれどね、この羽を   つけたら、そんなこころにしばられなくなるのよ。

羽をつけてあげる

プン わあ、ふわっと体が浮いたみたい。イエス様がおれの罪をゆるしてくれたこと、   なんだかわかってきた。神様に愛されているって言うことも。ありがとう。天   使さん。でも、天使さんの羽はなくなってしまった。どうやって帰るの?
らら 大丈夫よ。それより、いじめた人たちにごめんなさいって言ってきてね。
プン うん。ゆるしてくれるかどうかわからないけれど、謝ってくるよ。

りり いったいどこまで飛んで言ってるんだか。ららはかえって来ないじゃないの。   病気の子供たちにだくさん出会ったわ。みんな、元気になってほしいなあ。ら   ら~帰るわよー。

らら りり、わたしはもう、帰らないわ。

りり 何いってんのよ。早く帰ろう。イエス様と神様の祝福に満ちた天上の世界。ま   ぶしい清らかな世界。神様の世界ほど美しいところはどこにもないのよ。また  くればいいじゃない。
らら 羽をあげてしまったのよ
りり 冗談でしょう。命の羽を人間にあげてしまえば、人間になって、この世界で生  きて行かなくては行けないのよ。
らら でも羽をもらった人はいつか、天に帰れるわ
りり 羽をあげたら、もう、働けないじゃない。もっと苦しんでいる人はたくさんいるのよ
らら でも、いじわるだったプンの心がきれいになったわ。プンにはあの羽をあげな   ければわからなかったのよ。だからあげちゃった。たったひとりが命を得て元   気になればそれでいいわ。それに、もう、羽はないんですもの。
りり あのプンにあげてしまったの。本当にあなたって・・。やれやれ。らら!わた   したちは、いつも一緒に働いてきたのよ。一人で帰ることはできないわ。ほら、   わたしの羽をひとつあげるわ。
らら だめだよ。そしたら、二人ともとべなくなってしまうのよ。
りり ふたりが離れていたらとべないけどね。一緒にとんだらとべるのよ。

りりは自分の羽をひとつとって、ららにつける。
りり さあ、手をつないで飛んでいこうよ。これからは、一緒にはたらこう。わたし   も、これからは、ららと一緒に、いじめっ子のところにも行くわ。ほんとはあ   まり、行きたくないんだけどね。でも、神様のお心を思うと、どんな人のとこ   ろにも行きなさいっておっしゃるわ。ららにはかなわないわ。羽はひとりにひ   とつずつ。だからこれからは、ふたりで一人だよ。

らら りり、ありがとう。

 ふたりは手をつないで、空に帰って行きました。ふたりはずっと、手をつないでいました。春の空の白い雲の中を二人が通り抜けたとき、不思議なことに古い羽がはらりととれて、新しい、真っ白な羽が二人の背中に生えてきました。
とれた古い羽は、ふわふわ天から舞い降りて、春の風にふかれ、タンポポの綿毛になりました。空一面、雪のようなタンポポの綿毛は、あちこちにおちて、そこから、かわいいタンポポの花がたくさん咲いてきました。道ばたでタンポポの花がたくさん咲いているのをみつけたら、それはりりとららの羽だったのかもしれません。

リストボタン家庭集会

小鳥の声と晩秋の雨の音
静かな風
ともに静まる家庭集会
同じ時に生かされ
同じ所に集められ
神のまえに静まる
七人のささやかな集会のなかに
神が今語られる
宇宙より遠くから

大群衆の中で語られる主は
田舎の町のこの一部屋の中でも
同じように語られる

リストボタン台所のかたすみで

台所の片隅に
わすれていたタマネギが
芽を出している

箱の中のジャガイモも
芽を出している

こんな台所の片隅でも
神様に命じられたとおりに
命を生きる野菜たち

おかれた場所で、ついこぼすのは
もうやめよう

リストボタンケヤキ

色づき始めたケヤキの木々を
じっと見ていると
神様って本当にすごい
その
色合いの変化の美しさに
心だけ車から飛び降りて
ケヤキの前で
ひれ伏している

リストボタンありがとう

誰も知らない
心の深くの傷と闇よ
おまえはときどき
思いもかけないときに
出てきては
わたしの心をすくませる
夜の谷底のようなその深さ

しかし
その深さよりも
深く広く高く遙かな
主イエスの愛は
わたしを引き上げ
どこまでも赦すと
どこまでも癒すと
わたしを取り囲む

心の闇と傷よ
おまえがわたしを
主イエスに出会わせてくれた
それならば
わたしは心から
ありがとうと言おう

取り返しのつかない罪と
どうしようもない悲しみに
わたしは心から
ありがとうと言おう

リストボタン枯れてなお

枯れてなお美しい
カラスムギ
白い羽を凛と伸ばして
天に昇る備えをしている

遠くにいても
こころの近い
信仰の姉が召された

もう一度会って話がしたかったと思う
笑顔と
力強い声が耳元に残る

でも
会えてよかった
本当に出会えてよかった。
天国が
一歩近くなる

枯れてなお美しい
カラスムギの白い羽
その種は
風が思いのままに運んで
また、新しい芽を出させていく
ありがとうございました。
そっと
天に話しかけてみる
多くの感謝
そして少し寂しい
六月の夜

リストボタン帰り道

仕事の帰り道
国道を通り、橋を渡って左折する。
ここから続く土手の道
まっすぐに続き
行く手には美しい山並み。

いつもの帰り道
疲れた心で、橋を渡って左折する。
けれど山並みの優しさに
心はほっと解かされる。
この道は
神様の備えてくれた
帰り道癒しのロード

リストボタン心の核

体の中に心がある
心の中のいちばん深いところに
ひとつの核がある

どんなに笑っていても
どんなに悲しいときにも

その核のところは
別の世界をもっていて
黙ってわたしを見ている

誰にもわからない
自分でさえもわからない
心の核に主イエスは来てくださる

リストボタンノコンギク

この優しいうすむらさきは
春でも冬でもなく
やはり秋
静かだけれど燃えている
さわやかな中に哀しみがある
野菊の咲くのは
やはり秋

リストボタン暑い日には

暑い日はすぐに暑い、暑いという
寒い日は寒い寒いという
ちょうどいいときはだまっている
つらいときにはつらいと嘆き
痛いときには神様なぜ・・と叫ぶ
けれど
痛くないときはだまっている
あたりまえではないのにあたりまえのように思う
神様の恵み
感謝を忘れて不満をこぼす
そんな者にもなお注がれる
主のいつくしみ
無償の愛

リストボタンヒメジョオン

土手の道の両脇に
一面に咲いたヒメジョオンの花
白いシャボンの
泡がはじけている!
この道を通り抜けたら
どんなどろんこの心も
きっときれいに洗われる

リストボタン立ち帰れと

くるしくならないと帰らないこの魂よ
かなしみがないと立ち帰らない魂よ

おまえがそれほどに
かたくなであるから
神様は
必要な苦しみをあたえられる

それでもなおかたくなになろうとする
救いがたい魂を

なお呼びかけ
苦しみを与えて
招いてくださるキリスト

リストボタンいのち

あなたのいのちをいただいて
わたしはこうして生かされている
小さないのちをいただいて
わたしはきょうも生きている

よくない思いは今捨てよう
「今」が
みこころにかないますように


尊い十字架のあがないによる罪の赦し
どうか
あなたのいのちを
生きていくことができますように

リストボタンこの悲しみにも

この悲しみにも
意味があるのだと
この痛みにも
意味があるのだと
思ってみても
こころは嘆く。

けれど
嘆きながら
信じていく。
神様は
愛する者を鍛えるという。
その愛だけに
望みをつなぐ。

リストボタン神様の手

どんなところを歩いていても
つながれた神様の手を
決して見失わないように。
と思いながら
歩いていくのだけれど
明るい静かな道を過ぎ
暗い大雨の道
騒々しい雑踏
歩きにくいぬかるみで
ふと、神様の手を見失う
たいへんだ!と
思わずすがってみれば
それは、違う手だったりもする。

神様の導きがわからなくなるとき
言いようもない不安に包まれる
けれど 
恐れ続けることはない
わたしがどんなに
神様の手を見失っているときでも
神様は
わたしの居場所をちゃんと知っていてくださる
その大きな
あたたかい手がわたしを捕らえ
大丈夫だ、と
繰り返し、繰り返し
わたしを捕らえ続けてくださる

リストボタンサプライズ

ひたすらに繰り返される家事と
通い続ける職場と
毎日の生活は忙しく
同じことの繰り返しのように
思うこともある
けれど
繰り返し
繰り返される
その生活の中で
神様は生きて働いてくださる
振り返れば
なんという恵みが与えられてきたことか
そして
これからも与えてくださる
予想もできないすばらしい出会いを用意して
神様は
わたしの行く先で
これからも
ほほえみながら待っていてくださる
だから
わくわくしながら生きていこう
神様からのサプライズは
明日ではなく
今日与えられる

リストボタンひかりよ

ひかりよ
あなたがいてくれるから
わたしの心は明るい
あなたが照らしてくれるから
歩くことができる
あなたがそばにいるから
さびしくはない

明日に続き
未来に続く
永遠のひかりよ

どうか
この地を照らしてください

小さな詩集が十一集めとなりました。
振り返ると、与えられてきたさまざまな出会い、恵みにただ感謝です。
みなさま、お一人お一人との出会いを感謝します。
今回はブログの中に書いた詩も一部を載せました。

この詩文集を手にしてくださったみなさまに
        神様の祝福がありますようにと祈ります。
  二〇〇九年八月一日    貝出 久美子