詩文集第十集  「風に歌う 
著者 貝出 久美子(徳島聖書キリスト集会員)


キリストのあがないを受けて罪赦され

感謝をこめて風に歌う

小さないのちの天使とともに 

イエスは、身を起こして言われた。

「婦人よ、あの人たちはどこにいるのか。

 だれもあなたを罪に定めなかったのか。」

女が、「主よ、だれも」

 と言うと、イエスは言われた。

「わたしもあなたを罪に定めない。

 行きなさい。

これからは、もう罪を犯してはならない。」

           新約聖書(新共同訳)    ヨハネ福音書八章1011



目次

風に歌う     3

大粒の涙をこぼし 5

神様のたからもの 7

水晶のティアラ  8

木星              9

星のほうから      10

十字架の丘        11

夜勤               12

カエデの種        13

発芽              14

夕べの礼拝       15

クスノキの幹      16

公園の木の祈り    17

木の思い          18

ススキ            19

木の祈り          20

これからも            21

しずかな風            22

み旨のままに           23

ちょっと苦手な        24

ウグイス              25

ふきのとう            26

トンビ                27

菜の花のコーラス      28

土手の春              29

水晶のレース編み      30

御手のはたらき        31

飛べなくなった 

とんびのとん    32

クスノキの下で        39

ホトトギス            40

一瞬の十字架          41

すべてのことに感謝する42

神の剣             43

静まると           44

悲しみを           45

静かに             46

                 47

風に押されて       48

最後の輝き         49

初夏のススキ       50

神様のお計らい     51

大空牧場           52

昼間の月           53

夕焼けの中に入って 54

飛行機雲           55

新約聖書

 (Ⅰヨハネ四・1056

あとがき           57

 





























風に歌う 

恐ろしい

闇の渦に巻き込まれていったわたしを

キリストは代価を払い

悪魔から買い戻してくださった

その代価は命

キリストの命と引き替えに

わたしは買い戻された

とりかえしのつかない罪の裁きを

身代わりに受けて下さり

苦しんで下さった主イエス

そして殺された主イエス

わたしの身代わりとなって。

キリストは死なれた

裁きは終わり

わたしの罪は赦された

わたしは生かされている

この事実の中で

きょうもわたしは生かされている

キリストのあがないを受けて

風に歌う

 看護師をしています。精神科病棟に異動になって一年四ヶ月が過ぎました。さまざまな心の病の苦しみと出会いました。自分の弱さもいっそう知らされました。主よ来てください、と祈ります。

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大粒の涙をこぼし 

大粒の涙をこぼし

泣きはらした目をまっすぐに向けて

「病気になんか負けないよ!」

とわたしに叫ぶ

突然の心の病がその素直な心を襲い

自分でもどうしようもなくなっていく

その孤独と恐怖はどんなものだろうか

それでもあなたは

戦って

戦って

混乱の中で一生懸命落ち着こうとしていた

あなたの戦う涙をわたしは忘れない

早く家に帰りたいと泣いている

重すぎるあなたの苦しみが

どうか、いつの日か

癒されて

他の人を励ます基となりますように

この闇が光に変えられる日が

どうかその日が来ますようにと

大粒の涙に祈り捧げる


神様のたからもの 

わたしの働く精神科病棟の患者さんたちは

社会ではなかなか生きにくい

本人もとても苦しい

家族も重荷をおわれる

しかし、ただ神は

ひとりひとりを宝物として

見つめておられる 

水晶のティアラ 

心の病で苦しむ患者さんの

この悲しみの涙を

両手で受け止めて

神様に捧げたい

主よ

いつかこの涙を

美しい水晶のティアラにしてください

きらきら輝く恵みのティアラで

この子の頭を飾ってください

この悲しみが

神の御手によって

どうか光と変えられますように


木星 

準夜勤務が終わった午前一時三十分

外に出ると

わたしをまっすぐに見つめる木星の光に思わず目を伏せた

バタバタと、祈りを忘れて走り回った今夜の勤務

神を忘れて働いて

やれやれと終わって外に出たわたしに

木星のまっすぐなまなざしは目に痛い

心を静めて神を思い

もう一度、そっと目を上げる

木星は何も変わらない

神を見失うのは人間の心

キリストはきのうも今日もこれからも

永遠に変わりはしないと

木星は静かにわたしに語りかける

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星のほうから

わたしの働く精神科病棟は

かなり見晴らしが悪い

窓の外に見えるのは建物ばかり

山も空もほとんど見えない

深夜勤務の朝が明け始めるころ

何気なく窓の外を見あげた

建物と建物のほんの隙間に空が見え

そこにまぶしく金星が輝いている

こんなに小さな隙間から

光はあるのだよ!

と叫ぶように輝いている

空も見えないと思っていたわたしに

光を届けようとしてくれたのは

星のほうだった


十字架の丘 

病室の窓枠が十字架に見える

病棟の長い廊下のつきあたり

ドアの模様が十字架に見える

病状が重く混乱された患者さんの

ふとした笑顔に十字架が見える

ここは主の家

キリストの愛と赦しが流れるところ

十字架の丘


夜勤 

午前0時の病院の入り口

深夜勤務に来た看護師たちがつぎつぎと

吸い込まれていくように中に入る

何が起こるかわからない不安と緊張、そして眠さ

見えない重荷を背中に負って

つぎつぎに病院の中に吸い込まれていく

夜勤はつらい

でも詰め所に着いて引き継ぎが始まると

つらいなんて言ってはいられない

今から朝までこの病棟は夜を航海するひとつの船

行き先は朝。

だいじょうぶ、安心してお休み下さい

波はおだやか星空の中

病棟は静かに夜を進むひとつの船


カエデの種 

小さな羽根を

赤い愛らしい羽根を

神様にいただいて

どこに飛んでいこうかしら

きれいなうす紅色が

うれしくて

少し遠くの畑まで

それより土手の草むらまで

風を待って

風を待って

飛んでいく日を夢見てる


発芽 

じっと土の中で眠っていたんだけれど、

だれかがボクを起こすんだ

からだがムズムズして、何かがぐんぐん変わってきて

ボクの中で何かが起こった。

ボクは、どうしていいかわからないから

そのだれかに全部おまかせしたんだよ。

そしたら、力がわいてきて

ボクは土の中から出てきた!

なんてまぶしい空

風が吹いているよ。

でも、この風はたしか、ずっと吹いていた。

土の中でいるときから、それよりもっと前からもこの風は吹いていた。

光がまぶしいな。

さあ、風に吹かれて伸びていこう。


夕べの礼拝 

夕暮れの光を浴びて

ススキたちが

いっせいに夕べの礼拝をしている

ハレルヤ!

川から風が吹き抜けて

しばしススキの大合唱

やがて夜が訪れて

ススキは祈り

そして眠る

川は流れて時を刻み

夜明けの光を共に待つ


 クスノキの幹 

穏やかな夕陽をあびながら

クスノキの幹は

枝葉のことを思っていた

地から吸い上げ

体の中に静かに流れる

命の水を

どの葉の一枚にも

届けたいと

あかるい夕陽をあびながら

クスノキの幹は

愛する枝葉のことを思っていた


公園の木の祈り 

「いつも、ここに来ているね。ずいぶん大きくなったものだ」

木が少女に語りかける

だけど少女は気付かない

「ここに来るたびにいつも見守っていたのだよ、ずっと祈っていたのだよ」

だけど少女は気付かない

気付かれないけど木は祈る

気がついていないままだけど

少女はずっと祈られている


木の思い 

誰に向かって話したかったのだろう

何に向かって話したかったのだろう

一本の木から

あふれてくるような思い

耳を傾けると

木が

ずっと話したかったことが聞こえてくる


ススキ 

土手の両側に波のように揺れる

銀色のススキ

真ん中を車で走ると

両側に揺れるススキの波

ここは紅海

海は今、分かたれた。

モーセの後に続いて行こう

行く手を隔てるものはない

神が道を開いてくださる海の道

ススキの波の真ん中を

どこまでも

主イエスを見つめて走る秋


木の祈り 

木は

目を上げて天を仰ぐ

地の中に深く下ろした根から

命をくみとり

それから

まっすぐに天を仰ぐ

枝の先から

天に射られる木の祈り


これからも 

これからもわたしは

かなしくもまた罪をおかしてしまうのだけれど

これからも十字架は

わたしを赦し続けてくださる

これからもわたしは

歩けなくなることがあるだろうけれども

これからも主イエスは

ふたたび立ち上がらせてくださる

これからもわたしは

主イエスなしでは生きては行けないから

いつまでも主イエスよ

わたしのそばでいてください


しずかな風 

しずかな しずかな風が吹く

苦しかったな、つらかったな

魂の痛みは苦しい

それを思い知らされたできごとのあとで

しずかな しずかな風が吹く

罪と弱さを思い知った

苦しかった

そして 時が過ぎ

神様がもういいよ、と言ってくださった

痛みがなければケガに気がつかないように

苦しみによって罪を知る

わたしが間違っていたと心から知るとき

愛と赦しの風が吹く

しずかな しずかな風が吹く


み旨のままに 

山の中の湧き水が

ただ、天の法則に従って

下へ、下へと流れてゆき

清らかなせせらぎとなるように

雨上がりの水たまりが

ただ、神の法則に従って

気体となって、舞い上がり

風にとけ込んで行くように

わたしたちも

神様の思いのままに

宇宙と一緒に運ばれてゆこう


ちょっと苦手な 

ちょっと苦手なこの人に

もし、出会わなければ

わたしはもっと穏やかだと勘違いしていた

ちょっとつらいこのことばを

もし、投げかけられなかったら

わたしはもっと強いと勘違いしていた

なかったらよかったのになと

思う出来事が

自分ではわからない

本当の自分のすがたを教えてくれる


ウグイス 

夕暮れの山

木の上からでもなく

山からでもなく

うぐいすの声

天から響く。

その声は

人に届けと天より射られた

ひとすじの矢


ふきのとう 

やわらかな

うすきみどりの手で

大切に包んでいた思いを

そっと開いて

主に差し出すとき

神様は光を注いでくださる


トンビ 

トンビがあんなに

ゆっくりと大空を飛んでいるのは

神様に頼まれて

じっと誰かを探しているんだな
 

菜の花のコーラス 

土手の菜の花

讃美している

パートに分かれて

ここからはアルトね

バスは誰かな

指揮者は道をはさんで立っている

センダンの木

風が吹いたらさあ、いっせいに

混声四部合唱

 

土手の春 

光をあつめた菜の花と

すっかり枯れたススキの穂が

おなじ風に仲良く揺れる

土手の春 

 

水晶のレース編み 

庭の大きなモッコクの木と木の間

精一杯の場所を使って張られた

大きなクモの巣に

六月の雨が降る

水滴は丁寧にクモの巣を飾り

まるで

天使が作った

水晶のレース編み

 

御手のはたらき 

雲が流れていく方向

風が吹いて木の葉がざわめく時間

タンポポの綿毛がひとしれず落ちる場所

だれもしらないすべてのこと

神様がぜんぶ決められて

静かに静かに働いておられる 


飛べなくなった、トンビのとん(クリスマス子どものためのお話より) 
 

トンビのとん「きょうも、大空一面に青、そして白い雲。ああ、なんて気持ちがいいんだろう。ねえみんな、空を飛ぶってすてきだねえ。ぼくたちは神様にえらばれて、こんな素晴らしいこと与えられて感謝だね。さあ、きょうもとんで、とんで、神様の歌をうたおうよ。あっちへぴゅーこっちへぴゅー。 みんな、もっと飛べばいいよ。飛ぶために神様はこんな羽を与えてくれているんだよ。…あっ! 羽が動かない。わーー」 

とん「ああ、怖かった。大きな木の上におっこちたんだ。でも、助かった。

   でも飛べない。羽がうごかない。どうしよう」

びい「どうしたんだい、はやくおいでよ」

とん「飛べないんだよ」

びい「飛べないって、大丈夫だよ。思い切って飛んでごらんよ。ほら。がんばってさ。」

とん「うん。でも、どうしても飛べないんだよ」

   …とぼとぼとぼとぼ…

とん「ああ、どうして飛べなくなっちゃったんだろう。飛びたいな。でも、どうしても羽が動かない。どうしよう。こまったなあ。おなかすいたなあ。」

…じっとしているスズメのちゅんと出会う。

とん「あれ、すずめさん、どうしてこんなところでじっとしているの?」

ちゅん「こんにちは。わたしはすずめのちゅんです。羽にけがをしてね、もうずっと飛べなくなってしまったの。ここで空を見ているの。でも、ほらね、ここはあったかくていいところでしょう」

とん「ぼくも飛べなくなったんだよ。すずめさん、こまっているんだ。飛びたいでしょう。早く治るといいね」

ちゅん「治らないのよ。羽の先が折れたのですもの。でもね、ここには、飛べなくなった仲間がたくさんいるのよ。あのカラスさんは足が折れてしまってね。このしらさぎさんはおなかのけがでね。でもね、みんな、飛べないけれど、ここで歌をうたうのよ。神様の歌をみんなでうたうの」

とん「ええっ?飛べなくなってしまったのに、神様に歌なんてうたえるの?」

ちゅん「飛べなくなって、心から歌えるようになったのよ」

とん「何でだよ?青い空をいっぱい元気に飛んでるから歌えるんじゃないか。

  飛べなくなって、神様に歌なんかうたえないよ」

ちゅん「わたしもね、屋根の上でみんなと一緒に歌っているときも、それは楽しかったのよ。神様、ありがとうございますって歌っていたわ。でもね、飛べなくなって、屋根の上にも上がれなくなって、とことこあるいていてね、そのとき、お空で歌うよりもっと、もっと神様に叫んでちゅんちゅん鳴いたの。神様の助けなしでは生きていけなくなったから。そしてね、はじめて、ほかの、飛べなくなった仲間たちのことを知ったの。

  それまでは知らなかった。お空を飛んでいるときには見えなかったから。

  神様は、助けて下さるよ。毎日、毎日祈ってね、助けていただくの。それから、同じように飛べなくなった仲間たちのこともお祈りするのよ。

  飛べなくなって、それがどんなにつらいことか、よくわかったから。だから、飛べない鳥の仲間のために祈るの。そしたらね、前よりもっと、神様の歌がうたえるようになったんだよ」

とん「ぼくも、飛べなくなったんだ。でも、前よりもっと歌えるなんてわからないよ。まだ、神様は助けてくださるかどうか、わからないよ。また飛びたいよ!」

ちゅん「飛べなくなっても、神様は一緒にいてくださるのよ。」

とん「でも、こわいよ。助けてほしいよ」

ちゅん「そうよ。わたしたちは助けてほしいのよ。神様に助けてもらわなければ、生きていけない。助けて下さると思えるまで祈り続けましょう」

とん「とんびの仲間にも、会えないんだよ。大きな木の上でとまれないんだよ。」

ちゅん「わたしもね、すずめの仲間に会えなくなったことや、大きな木の上であつまって歌うことができなくなったことを思い出して、泣いてばかりいたのよ。でもね、どんなときにも神様に向かって泣いたのよ、飛びたい、つらい、って神様に向かって泣き続けたの。そしたらね、不思議なあたらしい心を与えて下さったの。わたしも、誰にも会えなくなったよ。でも、お祈りしていると、なんだか遠くにいる気がしないのよ。そして、仲間よりも誰よりも、神様がともにいて支えてくださるのよ。わたしはもうずっと神様のおそばにいるわ」

…とん、ひとりになる

とん「飛べないままで、生きていけるかな。でも、神様はいてくださる。だって、こうしてすずめのちゅんさんに会わせて下さった。それから、飛べない仲間がいることを初めて知った。みんな、同じようにきっと苦しかったんだ。すずめさんが言っていた。神様に向かって泣き続けたって。ぼくも神様に助けていただこう!神様、ぼくは飛べなくなりました。どうしたらいいのかわかりません。神様。ぼくを助けて下さい!」

…静かなピアノ曲

ハトさん「痛いよ、痛いよ」

とん「どうしたの!」

ハトさん「羽をけがして、飛べないよ。痛いよ、痛いよ」

とん「だいじょうぶかい?」

ハトさん「痛いよーー」

とん「はとさん、ぼくも飛べないんだよ。でも、だいじょうぶだよ。神様が守ってくださるからね。さあ、仲間たちの所へ行こう。ぼくの背中にのってごらん」よいしょっと

ハトさん「痛いよー、もうだめだようー」

とん「だいじょいうぶだよ。神様はいてくださるんだ。ほら、ぼくもこうして守られているんだよ。はとさん、神様は守ってくださるからね」 

♪こどもさんびか改訂版58 「どんなにちいさな小鳥でも」 

 どんなにちいさい

 ことりでも

 神様はそだててくださるって

 イエス様のおことば♪ 

ハトさん「とんびさん、助けてくれてありがとう。」

とん「これからいっしょに、神様に守られて生きていこう。大空を飛べないけれど、毎日毎日、神様がともにいてくださるからね。助けてくださるからね。何にも心配いらないよ」

…仲間があつまるちゅん「どこかで聞いたようなセリフね。みんなでとんびさんのこと祈っていたのよ。神様、いつも、み心にかなう祈りをきいてくださってありがとうございます。ほら、みんなが歌っている。行きましょうよ」

とん「ああ、とんびの仲間が空をとんでいる。気持ちよさそうだな。でも、ぼくもなんだか、広い広い空を飛んでいるような気持ちだよ。神様、元気に飛んでいるぼくの仲間たちをお守り下さい。そして、ぼくは飛べなくなりましたが、神様がともにいてくださることがわかりました。これからも、毎日、毎日、神様が守ってくださることをありがとうございます。このままで、歌います。クリスマス。ここに集まるこどもと大人の人に神様の祝福がありますように。


クスノキの下で 

初夏の風は

神様の呼吸

新緑のクスノキの葉を通り抜け

わたしに神の息がふきつける

クスノキの下で

風に吹かれて

目を閉じて

神の思いを受け止める

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ホトトギス 

山の中から天に向かって

ひとすじの光の矢のような

ホトトギスの声

命を受けた喜びが

小さな体にあふれだし

抑えきれない矢となって天に射る

小さなホトトギスの

讃美の弓矢 


一瞬の十字架 

電気を消した暗い部屋で

ひとり主に向かう

座って壁を見つめ

ひとり祈る

遠くの道を走る車のヘッドライトで

窓枠が照らし出されて

壁に一瞬の十字架を映しだした

主は

ここにおられる

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すべてのことに感謝する 

主よ

苦しみの中でなおあなたに感謝の祈りを捧げることは

なんと難しいのでしょう 

おそれと不安の中で眠れぬ夜に

それでもなおあなたに感謝することは

何と難しいのでしょう 

しかし主よ

それでも主よ

わたしはあなたに求めます

すべてのことに感謝する

わたしにはできないこのことを

あなたの力によってできるようにしてください

 

神の剣 

信仰の歩みの中でわたしは倒れた

知らない間に神様に背いていた

そしてそんな心に気がつかなかった

けれど神は見過ごされない

厳しい剣で刺し貫いてわたしの不真実を示された

それは痛く悲しく、わたしの心は倒れた

苦しい日々、どうすればいいのかわからなかった

しかしこころは本当は知っていた

心から悔いて立ち帰ることだけが必要なのだと

こころは本当はわかっていた

苦しんでやっとわたしは神に向かう

神の剣に刺し貫かれてわたしは苦しんだけれど

涙は御手に受け止められて、めぐみのしずくとなり

こころに優しく注がれた

 

静まると 

静まると

ここが

神様の御手の中なのだとわかってくる

じたばたと

もがいているとわからなくなってくるのだけれど

どんなにもがいているときも

大きな御手の中にあるのだと

静まると

少しずつわかってくる

 

悲しみを 

悲しみを

素直に

素直に

神様に差し出せば

神様は救ってくださるのだと知りました。

紛らわそうとしたり

耐えられないと背を向けるとき

いっそう重くなるのだと知りました。

悲しいと思う感情は自分ではどうしようもないけれど

素直に

素直に

神様に叫んでいけば

涙はいつか雨上がりに輝く

野の草のしずくに変えてくださるのだと知りました。

 

静かに 

夕暮れにじっと山を見た

動いていないと思った山は

木々が静かに揺れていた 

夕暮れにじっと空を見た

動いていないと思える雲は

静かに流れていた 

夕暮れにそっと祈った

祈っても何も変わらないと思えるようなときでも

神は静かに働かれる 

 

 

自分中心の思いに心がとらわれたとき

神様と私の間にある扉が閉まる

心が迷い思い煩い

扉が閉まると光は消える

祈れない心は重く暗い

それでも、祈れない

祈れないから祈らせてくださいと祈る

イエス様、わたしは帰りたいと扉をたたき続ける

御手が触れわたしの心が砕かれたとき

神様は静かに扉を開いてくださる

扉の向こうに満ちあふれているものが、さっと心に流れ込んでくる

ああ、帰ってきた

心の中に主の平和が満ちる

やっと心は生き返り、わたしは命を取り戻す

 

風に押されて 

礼拝中

窓からはいってきた風が

ずっと背中に当たっていた

風が背中を押している

進むんだよ

前進するんだよ、と

風がわたしを押している

 

 最後の輝き 

雨上がり

ベランダの手すりに

水滴がひとつ

ひかっている 

遠い大空から舞い降りてきた雨の粒

ベランダの手すりにとまり

キラキラ光って時を待つ

雨上がりの陽をあびて

もうすぐ

もうすぐ

気体となって消えていく

天に帰る前の小さなしずく

最後の輝き

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初夏のススキ 

若草萌える初夏の土手に

ひっそりと、枯れたススキが揺れている

秋の日にはキラキラと輝いていた穂は風に舞い

枯れたススキは細い枝

それでも

秋の日と同じ所に凛と立ち

やはりホサナ!と揺れている

 

神様のお計らい 

祝福の後に痛みがあり

痛みの中に慰めがある

慰めの後で力は与えられ

力はまた、祝福に変えられる

すべては神様のお計らいの中

わたしはただ

起こる出来事を

静かに受け止めていけばいいのだ

 

大空牧場 

大空牧場かけめぐり

一日を終えた

雲の羊たち

西に帰る太陽について

群れをなして帰っていく

広い大空を風に乗って

夕焼けの中に帰っていく

神様の国に帰っていく

 

昼間の月 

昼間の白い半月は

ひとひらの羽

ひとりの天使が

遣わされて地上におりることを決めた日

片方の羽を空に置き

天の仲間に別れを告げた

み旨のままに降りてきた

ひとりの天使の思い出に

空におかれた白い羽

真昼の月は天使の思い出

 

夕焼けの中に入って 

あの美しい夕焼けの

真ん中に入って立ち

耳をすませば何が聞こえるだろう

息を吸い込めばどんな香りだろう

しずかに目を上げると

立たれているのは誰だろう

 

飛行機雲 

大空の青いキャンバス一面に

飛行機雲が書いた白い線

伝えたいことがあるから

わたしにも

その大きな白いクレヨン貸してください

世界中に伝えたい

 
神様は愛! 

空いちめんに書こう 

わたしたちが

神を愛したのではなく、

神が

わたしたちを愛して、

わたしたちの

罪を償ういけにえとして、

御子をお遣わしになりました。

ここに愛があります。

                       新約聖書(新共同訳)

                 第一ヨハネの手紙四章十節


小さな詩集が十集めとなりました。

風が吹き、雨も降り、ともしびは揺れることも多かったですが

それでも消えることはなく、守られてきました。

主の憐れみと愛。感謝につきません。 

この詩文集を手にしてくださったみなさまに

        神様の祝福がありますようにと祈ります

  二〇〇八年八月一日
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