詩文集 第9集 2007年8月
著者 貝出 久美子
(徳島聖書キリスト集会員)

 


今日は です。

更新は です。

ここに光が

 ここに光があるよ 

 ここに光があるよ 

 暗闇の中で苦しまないで 

 ここに光があるよ

目次

閉鎖病棟      5

まなざし      8

祈りの右手     10

遠い道       12

主の平和      14

金星        16

キャベツ      18

大きなクスノキ   20

         22

苦しみの中に    24

天使の絵の具箱   26

風の中から     28

ソシンロウバイ   30

癒し        33

フキノトウ     36

不思議な風     38

春風        54

水たまり      56

朝日        58

飛行機雲      60

目的        62

夕陽        64

ひとりで泣かないで 66
ひとりで泣かないで 3

心の病       7

ワイパーの讃美   9

祈りの風      11

何があっても    13

         15

ウメモドキの祈り  17

クスノキ      19

どうして      21

ジャノヒゲの涙   23

叱責        25

主イエスのノック  27

切なる祈り     29

東の窓から     31

ムラサキハナナ   35

白いチンチョウゲ  37

森の中で      47

主のひと言     55

水田        57

半月        59

風の波音      61

夕暮れに      63

光に続く道     65

あとがき      67

ひとりで泣かないで

 ひとりで泣かないで

ひとりで苦しまないで

自分を責めないで

決して死なないで

苦しくて誰にも言えず

殻の中で生きていく

重荷に耐えられなくなった心が

もう、生きていられないと叫ぶ

神様はいるよ

神様はいて下さるんだよ

その苦しみを知って下さる

そこに光があるんだよ

どうしたら光が届くだろうか

どうしたら祈りが届くだろうか 

ひとりで泣かないで

ひとりで苦しまないで

自分を責めないで

決して死なないで 

祈っているよ

生き続けて


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  


 看護師をしています。勤務異動により精神科病棟で働くようになりました。多くの心病む方々に出会います。どう生きればいいのかわからない。死んでしまいたい。その心の奥に「生きたい!」という叫びを感じます。死なないで生きて欲しいです。神様に出会って欲しいです。日本中の心病む若い人たち、まじめで真剣な心病む若い人たち。闇は光に変えられる。光の中を生きて欲しいです。

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閉鎖病棟 

精神科病棟

わたしの新しい勤務部署は

入り口に鍵がかけられている

出勤して

病棟入り口の鍵を開けてはいる。

ドアから続く長い廊下

この一歩から

一日の仕事が始まる。

   主イエスが十字架で殺された後

   弟子たちは鍵のかかった部屋で震えていた

   その中に

   主イエスは来られた

病棟の鍵を開けるたび

鍵のかかった中に来てくださった

主イエスを思う

主はここにいて下さる

心の病の重荷

その苦しみをすべてご存じの

主はここにいて下さる

一日の仕事を終えて帰るとき

また、ドアの鍵を開ける

わたしは、ドアの外に出て行く

しかし主よ

あなたはとどまり続けてくださる

このドアの内側に


心の病 

心の病は

レントゲンには写らない

CTを撮っても

MRIにも

心の中は写せない

ただ

神様のひとみには

はっきりと写る

その心の苦しみと痛み
                  


まなざし 

夜勤明けの仮眠から

目が覚める

目に映るのは青い空

そこからじっと

見守って下さっている方の

まなざしがあった 

まどろんでいる間も

神様は

じっと

みていてくださったんだな


と思う


ワイパーの讃美 

雨の日の運転

渋滞で並んでいる対向車の列

フロントガラスの前では

どの車も

どの車も

ワイパーたちが

雨を喜び

ハレルヤ!

ハレルヤ!

両手を振って讃美している。



祈りの右手 

神様は

昼も、夜も

天から祈りの右手を差し出されている。

 

わたしが主を見あげ

天に右手をあげると

祈りの手と手がつながれる



祈りの風

 清らかな秋の風に

キンモクセイの香りが運ばれてくる

それは祈りの風

友の真実な祈り

悲しみの中の切なる祈り

そして

主イエスの祈り

キンモクセイの香りは

神の御許で

主イエスがとりなしてくださる

祈りの風の香り



遠い道 

遠い道であっても この道は 

ひかりにつづく ただひとつの道

緑の道の中をきょうもゆこう 

行く手に待つのは

主の微笑み

 遠い道の中に主の愛は

わたしを励まし 支え続ける

光の道の中をどこまでも 

歩ませてください 

主よ あなたと


何があっても 

何があっても

決して見捨てず守ってくださる力がある。

助けて下さい!

と叫ぶだけで

必ず来てくださる力がある。

吹きすさぶ孤独の中で嘆いていても

その中に

あふれる愛を注いでくださる方がいる。

目には見えない。

でも、目に見える以上に

はっきりと知らされる力と愛。

何があっても

わたしと共にいて下さる方がいる。


主の平和

どこまでも深い主の平和
あなたは生きて共にいて下さる
心に暗い風が吹くとき
わたしは急いで主に走る
息を切らせて主に走る
主が来てくださるまで
主が来てくださるまで
わたしは切に主に走る
ああ、なんて
人智を越えた主の平和!
闇の力を追い払い
あなたは生きて共にいて下さる



 

かなしいと思う出来事は

あなたが来てくださるための

心の扉

扉は祈りで開かれる。

泣きながら

あなたに切に祈るとき

扉は静かに開かれて

祈りの中で主は語られる 

 

金星 

金星の

星の光を吸い込むと

キリストが

心の中に来てくださる 

金星の

星の音色を聞くときに

キリストが

心の中に語ってくださる 

 

ウメモドキの祈り 

ウメモドキの若葉の子

小さな手を天に上げて

どの子も

どの子も

祈っている 



キャベツ

 キャベツが

一枚一枚葉を重ねて

包んでいる大切なもの

畑の中で

キャベツは

じっと信仰を守っている



クスノキ 

マメヅタが、ひとあしひとあし

大きなクスノキの幹を登る

クスノキはマメヅタを守る

ノキシノブがクスノキにくっついて

胞子を大切に抱いている

クスノキはノキシノブを守る 

深い地に根をはり

空に向かって葉を繁らせ

クスノキはおかれたところで

黙って神の愛を示している 

神様はクスノキを守られる



大きなクスノキ

 大きなクスノキの

大きな幹に

小さなマメヅタが並んで登る。

ノキシノブが安心して胞子を抱く。 

木の幹は温かく

みんなクスノキにまかせている。 

わたしも

仲間に入れほしくなって

マメヅタといっしょに

クスノキにくっついてみる。 



どうして 

どうして苦しみが与えられるのですか

祈っても答えてはくださらない

主よ

あなたはどこに

子よ

わたしはここにいる

お前の苦しみを知っている

苦しみは

必ず祝福に変えられるのだと

お前が信じることができるまで

共に苦しみ

待っているのだ 



 

木は動けないけれど

風が吹くと踊り出す 

木は歌えないけれど

風が吹くと讃美する 

木は話せないけれど

風が吹くと神を語る 

風のない日

木は黙って祈っている



ジャノヒゲの涙 

秋のあいだ

深い空の色をずっと見つめて

ジャノヒゲは

神様のことを考えていました 

ジャノヒゲはなぜか涙が出てきました

ジャノヒゲの涙は

美しい実になりました

その実の色は

ジャノヒゲが見つめていた

深い秋の空の色でした 


苦しみの中に 

わたしにとっては

耐え難い苦しみだった

不安をともなう胸の苦しみに

静まることもできず。

しかし

ただ

主イエスから目を離すまいと願った

ありのまま

ありのまま

つらい苦しいと訴える

魂の深みから

必死になって叫ぶとき

ああ、主よ

あなたは確かにいて下さる。



叱責 

叱られて

初めて目が覚めることがある。

神様からの叱責

いつまでもわたしが罪に気付かないとき

神様は叱られる

愛する子は本気で叱る

神様の叱責

それはつらくて苦しいけれど

主よ

わたしの目が曇り、まどろんで道を間違うことがありませんように

滅びよりは命を

一瞬のこの世よりは永遠をわたしが望みますように

主よ

わたしを厳しくお守り下さい



天使の絵の具箱 

田はうす緑

雲は白

山は静かな青緑 

光の絵の具箱から筆をとり

地の上を彩り続ける天使たち

天使の絵の具箱は

御国の虹でできている 



主イエスのノック 

トントントン、

急におこってくる

動悸や胸の苦しさは

胸の中にいて下さる

主イエスのノックする音 

祈りなさい

祈りなさい



わたしはあなたを呼んでいるのだと

胸の中から

主イエスがわたしを

叩いて下さる 



風の中から 

吹き渡る風の音

夜空の雲が流れる

雲の向こうのから

主よ

あなたの愛が注がれる

どうしてこんなに親しく

語りかけてくださるのでしょう

目にうつるのは雲と夜空

聞こえてくるのは風の音

そこから伝わってくる

言葉ではない語りかけ

夜空よりはるか遠いところから差し出される御手に

わたしは包まれる

主よ、あなたはすぐ側にいて下さる


切なる祈り 

切なる祈りは苦しみによってひきだされる

自分の苦しみ

他者の痛み

苦しいことはつらいけれど

それは、主イエスの呼び声

だから、すぐにひざまずこう

心と魂すべてを注いで

素直に、苦しいです、と祈ろう

主よ、憐れんでください

主よ、来てください

心から叫ぶとき

主イエスはそこに

来てくださらなかったことはない。


ソシンロウバイ 

月の光が集まって花になった。

家庭集会の机の上に飾られた

ソシンロウバイの花

そこから光があふれ出し

みんなの心を照らし出す

輝いているのは神様の愛

小さな家庭集会を

神様の光が祝福している 

 

東の窓から 

空が見える東の窓の細い枠に手を置いて

何度叫んだことだろう

真夜中に星をあおぎ

昼間に雲を見つめ

何度もわたしは主に叫んだ 

重くのしかかる心身の不調

苦しくて眠れない日が続く 

主よ、なぜですか

そして

いつまでですかと

苦しみの意味を問い続けるとき

突然静かに示された罪

自分でも気が付いていなかった罪が

静かに知らされた 

示されるままに主の前に罪を認めて

赦しを祈る 

主は罪を示される

けれど

いつくしみをもって示される。 

主よ

お赦しください

憐れんでください

体と魂の痛みの中で御前に涙を流すとき

わたしの胸に

あたたかいキリストのいのちが流れてきた


癒し

 五月の終わり

アジサイが色づき

若葉は光る

水田の稲苗の上を駆け抜けて

風が吹いてくる 

朝、目が覚めると

言葉にできない胸の苦しさが消えていた

空を見る

癒されているのを感じた


ムラサキハナナ 

ムラサキハナナの花びらを

ルーペで見ると

青い世界が広がる

遠い国の海の色

はるかな空の天上の色

永遠に流れる大河の色

小さな花びらに広がる

神の支配の壮大さ 

 

フキノトウのエクレシア

 うす黄緑色の

柔らかなガクが

大切につぼみたちを守っている

安心して咲いているつぼみたち

フキノトウはひとつの花束

やさしいガクに守られてひとつになる

わたしたちも

神様のガクに守られて

ひとつになって咲いていこう

安心して咲いていこう


暴風雨の中で

家に帰ることができないような

苦しい日々が続いていた

不安だった日々

しかし、苦しみの日々は

わたしを砕き罪を示した

 白い雲に主を思う

癒しの代価を思う

病を担ってくださったのはキリスト

苦痛を負ってくださったのはキリスト

そして

今、出会っている多くの患者さんたち

ひとりひとりの苦しみが

わたしの病をかわりに負ってくれているのだ

 心をひきしめ砕かれよ

癒しは

代価を払って与えられた 

 

白いチンチョウゲ 

白いチンチョウゲの花びらをルーペで見ると

朝日輝く白銀の雪野原

わたしは遠い北の国の世界にひとり立ち

神の清さに包まれた

キリストの薫り立つ

天上の雪野原


  不思議な風

クリスマス祝会 子供のためのお話より
  今日もいいお天気。ももちゃんは、ともだちのさくらちゃんの家に遊びに行きました。さくらちゃんの家には、かわいいお人形があって、なかよしのさくらちゃんといっしょにそのお人形で遊ぶのはとても楽しいことでした。

「さくらちゃん、遊ぼうよ。」「あら、ももちゃんいらっしゃい。さくらはいま、お買い物に行っているのよ、でも、もう帰ってくるから、さくらのおへやで待っていてね」「はあい。おじゃましまあす」 ももちゃんは、さくらちゃんのお部屋で待ちました。頭にふうわりリボンのついたかわいいお人形がありました。なまえは「まりー」です。

「こんにちは、まりーちゃん」ももちゃんが、そっとまりーに触れました。

「あ!」そーっと触れただけなのに、まりーのかわいいリボンが落ちました。

「どうしよう」そこへさくらちゃんが帰ってきました。

ももちゃん、いらっしゃい、と言おうとしたさくらちゃんは、声が止まってしまいました。ももちゃんが、まりーのリボンを取っているように見えました。大切なまりーの頭のところが破れてスポンジが見えて、とてもかわいそうになっています。

さくらちゃんは、わんわん泣き始めました。ももちゃんは、何か言おうとしたけれど、さくらちゃんの目はとても悲しそうで、そしてはっきりと、ももちゃんにおこっているのがわかりました。

(わたし、なにもしていないんだよ)ももちゃんは、こころの中で叫びましたが、さくらちゃんの目が心に刺さってなにも言えなくなりました。(さくらちゃんは、わたしが壊したと思っている。なかよしのわたしが壊すわけはないのに、でも、こわしたと思って怒っている)「わたしじゃないんだよ」

小さな声でももちゃんはいいましたが、泣いていたさくらちゃんには聞こえません。

さくらちゃんは、まりーを抱いて部屋を出て行ってしまいました。

ももちゃんは、ぽつんとさくらちゃんのお部屋でいましたが、悲しくなって、さくらちゃんの家からだまって出ていきました。さくらちゃんが泣きながらまりーをお母さんにみせているのが、窓から見えました。ももちゃんは、野原を走って行きました。

ももちゃんも涙が出てきました。くやしいなみだでした。

 走っていると、細い小径にはいりました。帰りたくなかったのでどんどん、走りました。

「さくらちゃんなんか嫌いだ」小さな声で言いました。小径でのらねこのみいに会いました。みいが、ももちゃんをみてうれしそうに、にゃあとなきましたが、ももちゃんは、みいのほうを見ませんでした。

それから、池にいるあひるたちが、ももちゃんをみてがあがあ、あつまってきました。ももちゃんはプイっと走り去りました。

「みんなきらいだ」ももちゃんは、また走りました。

あっ!ももちゃんは、石につまずきました。草の上にどん!と転んでしまったので、そのまま、寝ころんで空を見ました。

青い空がありました。ももちゃんは、空に向かって話しました。

「さくらちゃん、きらい」ももちゃんの声がしずかな野原にひびきました。

「さくらちゃんなんか、きらい」そこに、ひゅううと風が吹いてきました。風の中から声が聞こえてきました。「さくらちゃんはきらいかい?」風があまり優しく吹いてきたので、ももちゃんの心も少しやさしくなりました。風はいいました。

「わたしは全部本当のことを知っている。ももちゃんがまりーを壊していないことも、どれだけさくらちゃんやまりーがすきなかもね。わたしは、いつでも、本当のことを全部知っているんだよ。人間にはとんでもない勘違いや、わけのわからないことはおこるもんさ。誰もわかってくれないって思うときもあるんだよ。でも、わたしは、いつでも、ももちゃんのそばにいるから、ももちゃんのこころを知っているんだよ。」「わたしの心を知っているの?」ももちゃんは、風が本当のことを知っていてくれて良かったって思いました。でも、あのお人形が本当はほしくて、うらやましくて、さくらちゃんはいいなあ、もってかえりたいくらいだなあ、と思ったことを思い出しました。ももちゃんが、何も言わないのに、風はいいました。

「そんなこころも、誰にでもあるんだよ。ずっとずっと、そんなこころと戦いながら大きくなっていくんだよ。でもだいじょうぶ。そんなこころがあっても、かみさまはももちゃんのみかた。だれよりも、大事におもっているから。

そんなこころに負けないように、いつでも守ってくれているんだよ。」

「ごめんなさい」

ももちゃんの目から、こんどは優しいなみだがこぼれました。

風にしばらく吹かれていました。ももちゃんは、声に出していいました。

「風さん、わたし、ほんとうに、あのお人形をこわしていません。でも、あのお人形を欲しい、持って帰りたいとおもったことは何度もあります。そして、さくらちゃんがうらやましかった。ごめんなさい。」

「よく言えたね、ももちゃん。」

風が吹きました。

それから、起きあがって、野原にすわりました。

とってもかわいいお花が咲いていました。

 

歌:「この花のように」 こどもさんびか改訂版115 


一 この花のように おひさまをあびて

  すくすく育つ 子供にしてください

二 この花のように みんなの心に

  やさしくかおる 子供にしてください

三 この花のように 神様の愛を

  そっとあらわす 子供にしてください

 「本当のことを、ちゃんとさくらちゃんに話してみよう。」

ももちゃんは、さくらちゃんの家に向かって、元気に歩き始めました。途中で、あひるさんが、また、があがあやってきました。あひるさんは怒っていませんでした。

「心配したよ、ももちゃん」

あひるさんはわらっていました。それからのらねこのみいに会いました。しらんぷりりたのに、みいは怒っていませんでした。

「元気になって良かったよ」

みいはにゃあと笑いました。

「ごめんね。」

ももちゃんは、みんなが、ももちゃんを優しい心で見ていてくれたことがわかりました。

 泣きながらこの道を走っているときには、みんなきらいだと思っていたけれど、不思議な風に吹かれて、優しいきもちになれました。この風は、かみさまにつづく扉。かなしいことがあったとき、とっても苦しくなったとき、悪いこころになってしまったとき、この風のことを思い出してくださいね。かなしいことは、風が吹くための扉です。

お祈りしたら、扉が開きます。こころのなかに不思議なかみさまの風が吹いてきて、だいじょうぶだよって、支えてくれる。

そして、ほんとうの道を歩けるようにしてくださいます。 

歌:「ふしぎな風が」 こどもさんびか改訂版 94 

 一 不思議な風がぴゅうっとふけば

   なんだか勇気がわいてくる

   イエス様のおまもりがきっとあるよ

   それが 聖霊の働きです

   主イエスの めぐみはあの風と共に

三  不思議な風がぴゅうっとふいて

   心の中までつよめられ 

   神様の子供にきっとなれる

   それが新しい毎日です

   私の命もあの風と共に 

        これで、お話を終わります。

「森の中で」

   二〇〇七年イースター「子供とともに」人形劇 シナリオ 

・オルゴール音

すみれ「ああ、いいにおい!お母さん、これはアップルパイの匂いね。」

母  「そうよ。よくわかったわね。すみれちゃん。きょうはイースターだからね。
    おばさんにこのパイを届けてきてね。そしてイエス様の復活の感謝を一緒にお祈りしてきてね。」


すみれ「わかったわ。いってきまあす!」

母  「気をつけてね。イエス様が共にいて下さるからね。でも、まっすぐ帰ってくるのよ。」

・オルゴール音と小鳥のさえずり

すみれ「ああ、いいお天気。今帰るところなの。おばさんに会えて良かったわ。おばさん、とても喜んでくれたのよ。お母さんのパイもおいしかったし。一緒にお祈りしてイースターの讃美歌いっぱいうたったら、わたしもとてもうれしくなって、神様、よかったです!さあ、早く帰らなくっちゃ。森の風がああ、いい気持ち。わあ、きれい。春の花がたくさん咲いてる。こんなすてきなきれいな花もみんな神様が創ってくださったのね。神様ありがとうございます。そうだ、みんなに、春の花束をおみやげに持って帰ってあげよう!きれいな花を神様感謝しまあす!」

ナレーション:すみれちゃんは、みんなにこのきれいな花を届けたくて、つい、遠くまで来てしまいました。むちゅうで花をつんでいると、夕暮れになってしまいました。

すみれ「あれ・・・こんな道あったっけ。」

・効果音:カラスの声

すみれ「どうしよう。みちがわからない。だんだん暗くなってくるし。どっちから来たんだったっけ。小川があったはずなのに。どこから迷ったんだろう。どうしよう。帰れないよ。」

・…あちこちと、とぼとぼあるく

すみれ「違う、違う、この道じゃない。わからない。こわいよ。どうしよう。帰れない。あれ。何だかずっと森の奥まで来てしまったみたい。こんなところ、初めて来た。どうしよう。暗くなったら、どうしよう。帰れないよ。こわい。どっちに行けばいいの?わからない。こわいよ。」

・…すみれしゃがみこむ

すみれ「おなか痛い。おなか痛い。歩けない。胸が苦しい。こわい。帰りたい。神様、助けて。誰か助けて。」

・…とんびが飛んでくる。

すみれ「あ、とんびさん、とんびさん、助けて!」

とんび「空から見ていたら、すみれちゃんが泣いているのがわかったんだよ。歩けないのかい?だいじょうぶかい?」

すみれ「道に迷ってしまったの。みんなに花を持って帰ってあげようと思って遠くまで来てしまって、迷ってしまったの。そしたら、おなかが痛くなって、それから胸も苦しくなって、もう、歩けないのよ!助けて、とんびさん、たすけて。」

とんび「おなかも痛いのかい。困ったね。胸も苦しいんだね。森には道がたくさんあるし、それに歩けないなら、困ったね。」

すみれ「わたしね、みんなに、お花を届けたらね、神様が喜んでくださると思ったのよ。だから、遠回りしたの。なのに、迷ってしまった。神様って呼んでも何も聞こえないのよ!お母さんは、イエス様はいつでも来てくださるって言っていた。でも、何も見えない。こわくなってきたら、おなかが痛くなって、胸が苦しくなって、歩けなくなってしまったの。とんびさん、イースターはイエス様の復活の記念の日でしょう。おばさんと一緒に感謝のお祈りしたのよ。でも家に帰れなくなってしまったの。とんびさん、イエス様見えないのよ。来てくださらないのよ。イエス様はいないの?」

とんび「落ち着いて。すみれちゃん。イエス様はいてくださるよ。イエス様は神様だからね。祈ればもう、ここに来てくれているよ。

   この森も、神様が創られたもの。そしてわたしたちも神様に創られたもの。一緒に祈ろう。神様は必ず助けて下さる。」

すみれ「おなか痛くて、苦しくて祈れない。お祈りできない。もうだめ。帰りたい。」

とんび「だいじょうぶ。ではわたしがお祈りするからね。」

・…とんびさん、おりてくる

とんび「イエス様。すみれちゃんが、道に迷っています。おなかも痛い、胸も苦しい。
この不安な気持ちは、どれほどのものでしょうか。神様、あなたは、すみれちゃんの、こわい気持ちをご存じです。そして、帰る道もあなたはご存じです。どうか、イエス様、来てください。あなたが、手を取り、すみれちゃんを立たせて下さい。そして、帰る道を示して下さい。あなたが、共にいて家まで導いてください。どうか、すみれちゃんを助けてください。イエス様のお名前によって祈ります。アーメン」

…・間
とんび「ほら、あなたも祈ってごらん」
すみれ「神様、家に帰りたい。胸が苦しいんです。わたし、お花を届けたかった。そしたら、道に迷ってしまって。とてもこわい。どうしたらいいか、わからない。神様、歩けなくて、ここで、死んでしまいそうにこわい。神様、助けて下さい。…アーメン」

・…BGMオルゴール音(フルートとハープの協奏曲)

ナレーション「そのとき、何かあたたかい心が女の子の胸に流れてきました。女の子は、少しこわい気持ちがなくなってきました。なんだか、家に帰ることができると、そんな気持ちになりました。」
・効果音:(星の輝き音、キラーン1回)とんび「あ!ほら、一番星がみえるよ。あれは金星。今は西の空に見えるんだよ。宵の明星。森の西側に海があるね。あなたの家は海の方かな。」すみれ「そうよ!わたしの家は、森から続く海の近くよ。」とんび「すみれちゃん、この場所はもう、海の近くなんだよ。だから、すみれちゃんの家のほうなんだ。この星に向かっていけばすぐに海に出られる。もう大丈夫だ。さあ、一緒に行ってみよう。立ってごらん。」…・すみれ、ゆっくりたちあがるすみれ「とてもきれいな星の光。とんびさん、わたし今、おなか痛くなくなったわ。胸も苦しくなくなってきた。家に帰れるね。星の方に行けば家に帰れるね。よかった。」とんび「よかったね、すみれちゃん。なんてきれいな星の光だろう。イエス様の光だね。イエス様はいて下さったね。…光が燃えているね。」 

歌:「しずかにしずかに」 こどもさんびか改訂版 104

     しずかに しずかに

     みつめていよう

     かがやく光は むかしも 今も

     しずかに しずかに

     みつめていよう

すみれ「お母さんが言っていた。イエス様は神様で、復活して今も生きていて下さるって。目には見えないけれど、祈れば必ず来てくださるって。本当だった。イエス様ありがとうございます。」ナレーション「さあ、イエス様はよみがえり、今も生きて共にいて下さいます。すみれちゃんを守ってくださったイエス様は、みんなも守ってくださいます。きょうはイースター。みんなで感謝してうたいましょう!」 

 歌:「草の芽、木の芽が」 こどもさんびか改訂版 87      

     草のめ木のめが 目をさまし  

     ぽっかりお顔 だしました

     歌いましょう 祝いましょう  

     うれしい うれしい イースター                  

                これで おわります。


春風 

春の風が

山を川を村を空を

あんなに走り回って遊んでいるのは

風もうれしくって

仕方ないんだろうな
                

主のひと言

 

主のひと言で

雨が降る

主のひと言で

風が吹く

主のひと言で

地は渇き

主のひと言で

虹が立つ 

この言葉に

守られている

 

水たまり 

雨上がり

アスファルトのくぼみの

小さな水たまりに

空が映る

雲が映る

天が映る

出勤前

 心の余裕のなかったわたしに

天を見あげよ!と

神様は

地面に空を映して下さった


水田

 五月

水田に水が張られて

大空を映している

天で行われるとおり

地の上でも御心がなりますようにと

地のうえに

天が映しだされて



朝日


人が目覚め始めた朝

神様はきょう一日の祝福を

太陽に込めて

東の空から昇らせる

善良な人にも、悪人にも

元気な者にも、病める者にも

地の上でうごめく人間をこよなく愛し

光を与えようと

命を与えようと

きょうの太陽を昇らせる



半月

 

ぱりん、と

二つに割ったような

あかるい半月

割られた光の半分は

小さなかけらにして

天使が地上に届けに行く

苦しみに閉ざされた心の中に

光よ、届け

祈りよ、届け



飛行機雲

 

飛行機が

命じられるまま空を飛ぶ

後にひとすじ

白い軌跡の飛行機雲

天の野原の白い道

やがて

静かに雲は消え

後には何も、残らない。

それでもだまって飛行機は

命じられるまま

空を飛ぶ



風の波音

 

山の中で祈っていると

突然

海もないのに

波の音が聞こえた

それは

木々の中を風が通り抜ける音だった

何度も

何度も

押しよせてくる風の波音

神様の愛が

これでもかと

わたしに押しよせてくる



目的
 

水平線のむこう

ただ、一つのものをみつめてゆく

多くのものに

囲まれて生かされているけれど

水平線のむこう

ただ、ひとつのもののために

生きているのだ



夕暮れに 

人があまりにも思い煩って

神様の愛に気がつかないので

風たちはこんなに走り回って

夕暮れの帰りを急ぐ人たちに触れていく

…ああ、いい風だな

と、疲れた誰かがいうために。

夕暮れ時

誰もが疲れてしまって

神様の愛に気がつかないので

大空は驚くほどの茜色に空を染める

たったひとり、だれかが

…ああ、きれいな夕焼けだな

と、思えるために



夕陽 

夕陽がやさしく

地の上を抱きしめている

山も草も家も

人も小犬も水田も

神の光に

抱きしめられている
                   

 

光に続く道

 ひとすじの道が続いている

遠い、この道は何が起こるかわからないけれど

どんな出会いも悲しみも

すべてが神様によってそなえられた道

今日与えられる悲しみも

明日与えられる痛みも

もっと主イエスを信じるために

もっと主イエスに砕かれるために

もっと主イエスを望むために

主が選んで与えられたこと

だから、勇気を持って

明日に希望をもって安心していこう

主にそなえられたこの道の

行き着く先は永遠の光 

 

ひとりで泣かないで

ひとりで苦しまないで

自分を責めないで

決して死なないで 

神様はいるよ

神様はいて下さるんだよ

その苦しみを知って下さる

そこに光があるんだよ


 初めて徳島聖書キリスト集会の玄関のドアを開けてから十年がすぎました。

もし、主イエスに救って頂いていなかったら、今頃どうなっていたことでしょう。

きっと、わたしは生きていながら死んでいたと思います。

 この十年間、出会いと別れ、失敗や間違い、罪、迷い…さまざまに揺れ動きながらも、神様はわたしを捉え続けてくださり、導き続けて下さいました。感謝を捧げます。
   小さな詩集を手にしてくださってありがとうございました。


    皆様の上に神様の祝福が豊かにありますように。 

                    二〇〇七年八月一日   貝出久美子

                徳島聖書キリスト集会所属
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