リストボタン149)「ありがとう」
…水野源三さんという方は、寝たきりで、小さい時から言葉も出せず、手も動かないで、それで伝道した方ですけど、その方が寝たきりのそういう生活のなかで、やがて亡くなるという前に創った歌を申し上げます。
「幾度もありがとうと声に出して言いたしと思いきょうも日暮れぬ」
私たちは口が利けますが、幾度も幾度も「ありがとう、ありがとう」と言いたい思いで生きているでしょうか。(「なくてならぬもの」三浦 綾子著 光文社)


150)代わってくださった
どうしてこの私でなくてあなたが?
どうしてこの私でなくてあなたが?
あなたは代わってくださったのだ。
あなたは代わってくださったのだ。
(後に長島愛生園の精神科医となった、神谷美恵子が、二十一歳のときに、ハンセン病療養所に行ったときに作った詩)


○弱い人、苦しい人、つらい人を見たときに、私たちがこのように、あなたは代わって下さったのだという思いを持つことができますならぱ、それこそが本当の愛だと思います。私があなたに何かしてあげるというのではなくて、私たちのために代わって下さった、その人に対する謙遜な思い。(同右 112頁)