リストボタン(304)聖霊の重要性

…まず第一に人はこの霊(聖霊)を自分で獲得することができないということである。またこの霊は生まれつきの才能ではなく、あるいは人間的伝承によっても得られない。それはそのような人間や組織などの外からやってくる事実であって、それ自体としては説き明かしがたいものである。
しかし、この霊が与えられるとき、それはキリスト教の最上の、かつ唯一の完全な証しである。
この霊を持つ者は、もはや一瞬たりともキリスト教の真理性を疑うことはない。…
人の心の状態がそれを受けうるまでに成熟し、それを願う気持が切実であれば、おそらく直ちにこの霊は訪れるであろう。
しかし、いずれにしてもそれは純粋に神の賜物である。
あらゆる人が、学問のあるなしにかかわらず、老人でも若者でも、男でも女でも、みなこの霊を受けることができる。
この霊は人間の間に少しも外的な差別をもうけない。(カール・ヒルティ著「幸福論」第三部296〜297頁 岩波文庫)