リストボタン(254)受けとる者であり続けること―へりくだる心から。そしてお前の柔軟性を保て。
受け取る者であり続けること―そして感謝せよ。
耳を傾けること、見ること、そして理解することが許されていることを感謝すること。
(「道しるべ」ダグ・ハマーショルド著 一一七頁 みすず書房刊)
(著者は元国連事務総長)
To remain a recipientーout of humility. And preserve your flexibility.
To remain a resipientーand be grateful.
Grateful for being allowed to listen,to observe,to understand.
(Dag Hammarskjoprd:MARKINGS )


・「受けとる者であり続ける」とはどういうことを意味するのか、これは神を信じない立場にあれば、こんな受け身の態度ではよくない、というように理解するであろう。
しかし、愛の神を信じるときには、まったく違ってくる。主イエスが言われたように、神の愛は、太陽の光のように、また降る雨のように、無差別に注がれている。私たちはただ心の戸を開いてそれを受けとるとよいのである。神の国は近づいてそこにある、魂の方向を転じてその神の国を受けなさい、というのが、キリストの宣教のエッセンスであった。十字架による罪の赦しも、永遠の命も復活もみなすでに誰でもが取り込めるように置かれている。これらの真理は、いわばこの世界の中心に置かれていて、誰でもがそこにアクセスして、自分の内に受けることができるのである。
主イエスは私たちのために、その愛のまなざしを注ぎ、祈りをもって見つめておられる。そのまなざしも、私たちが魂の静けさを持って待ち望むとき、だれでもが受けられる。
使徒パウロも、自分の意志とか考えでなく、主によって選ばれ、呼びだされ、遣わされたのだということを彼の手紙の冒頭にしばしば記している。ここにも歴史上で特別に重大な働きをした人が、魂の深いところで、受けとる者であり続けた、ことを示している。
そしてこのように、神が与えようとしておられるものを受ける心の準備を常にしていることが、心の柔軟性を保つことになるというのである。