これは、北海道の小樽から、南西部の瀬棚地方に向う途中の海岸での撮影です。
アサツキとはネギの仲間で野菜として栽培もされている植物ですが、このように海岸近くや山野の一部にも自生しているものなのです。
このアサツキは、絶壁の岩の上に自生していたもので、日本海のひろがる広大な風景を眼下にするところです。ここは、こうした崖であり、ここに至る道筋も危険なので、この花に気づく人はごく少ないと思われます。 |
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この火山性の礫岩の上にあって、激しい潮風や、冬の吹雪が吹きすさぶ岩の上にこのような可憐な花が根付いていることに驚かされます。人間も動物もこうしたところでは生きていけないところですが、この植物は、その厳しさに耐えて太古の昔からここに根付いてきたのであり、その生きる強靱な力を感じさせられたことです。 草は弱々しいものー引き抜けばすぐに枯れてしまうし、滅びてしまう。 他方、そのような弱いと見えるものに、こうした樹木も育たず、動物たちも生きられないような厳しい環境でも生きていく力が与えられています。 神は、弱いところに力を表される、ということがこのような自然のなかにも見られるのです。 「わたしの力は弱いところに完全にあらわれる。」(Ⅱコリント12の9) と、キリストが使徒パウロに語りかけた言葉を思いだします。(文・写真とも T.YOSHIMURA) |
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