エゾコザクラ 北海道 大雪山(旭岳)2014.7.22
緑なす草原の背後には、大雪山系の最高峰、旭岳をのぞむところにこのエゾコザクラがありました。まだ緑のなかに、白く残雪が見られ、気温の低さを感じさせています。 旭岳は、50年近く昔に、まだロープウェイなどなかったときに、重いリュックを背負い、層雲峡から登り、黒岳から旭岳そして天人峡へと縦走して以来のことです。 今回は、北海道瀬棚地区での瀬棚聖書集会のあと、札幌交流会、さらに教友のいる岩尾別や旭川を訪ねたおりに登る機会が与えられました。 そうした集会や訪問は、もとはと言えば、「神の言葉」によって生まれたものでしたが、この大雪山の自然もまた、「神の言葉」と言えるものです。 この花は、登山道から離れたほとんど人が行かないと思われたところで見いだしたもので、予期していなかったところにこのような光景が現れたのでとても心に深く残ったものです。 |
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草丈は、10cm程度、日本では北海道にのみ見られるが、千島やオホーツクといった寒冷な地域に分布するということです。こうした地域は夏はごく短いのですが、その短期間のうちに、芽を出し、このような美しい赤紫色の花を咲かせます。 サクラソウのなかまはいずれも美しいものですが、誰一人いない広大な自然のなかで静かに咲いている姿はとりわけその清い美しさが印象的です。 人間が造り出した美というのもそれなりによいものですが、こうしたいっさいの人間の手がかかっていない野生植物の美は、比類がないものです。それは人間の曇りやすい心や考えが混入することがまったくないもので、神ご自身の持たれている完全な美のあらわれだからです。 周囲の緑の草はらもまた、生き生きとした希望といのちの力を感じさせてくれますし、背景の山は神の力をそのままに表しています。 …私は山に向って目を上げる。わが助けはどこから来るか、天地を創造された神からくる。(詩篇121) 山を歩き、その自然のただなかにいるとき、この3000年ほども昔の聖書の詩人の言葉が思いだされます。山々とそこに広がる大自然は、私たちの心を神に向けてくれる純粋なものを豊かにたたえたものです。 このような広大なひろがりをもった自然、そしてそこに咲くこの花の姿は全体として、人間世界とは分かたれた聖なる世界を指し示してくれるものとなっています。 主イエスは、野の花を見よ、と言われました。たしかに、こうした野の花を見つめるとき、そこに見えざる神の御手がはたらき、このように神の栄光を表しているのを感じるのです。 (文・写真ともにT.YOSHIMURA) |
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2014年7月 |