ガクウツギ 徳島県海部郡 2005.5.10
この花は、やや日陰のしめったところに咲いていることが多いので、この花の純白がとくに目立ちます。 この花は、すぐわかるように、アジサイの仲間です。 白い花びらは持った花は装飾花で、雌しべや雄しべが退化して種ができないものです。 そばにある小さい花が、雌しべと雄しべを持った両性花です。 その装飾花が、額のように囲んでいるガクアジサイと似た花なので、ガクウツギという名になっています。 (なお、この花は、ウツギという名がついていますが、ゆきのした科 アジサイ属であって、5月の花として有名なウツギ(卯の花)は、同じ科のウツギ属です。)。
この花は、そのすがたとその白い花びらが、私たちへのメッセージを感じさせてくれます。 この花は、花屋によくみられる色鮮やかなセイヨウアジサイと違って、とても 静かで、素朴なものを見るものに与えてくれますサクラやウメ、ジンチョウゲなどのように、一般の人々の話題になることもなく、ほとんど知られていないのですが、それだけに少し日陰の山間にこの真っ白い花が咲いているのを見るのは山間の自然に清められたなにか感じさせてくれます。 (文・写真ともに、T.YOSHIMURA)