ハクサンチドリ ラン科 黒岳にて (大雪山系 標高1984m ) 2009.7.21撮影 |
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このハクサンチドリは、中部地方の高山から北海道といった寒い地方の山に咲く花です。最初は、白山(*)に多いとされたことと、千鳥が飛んでいるのに似ていることかとら、この名前が付けられています。花色は、赤紫色で、下のように、葉に 斑入りのものもあります。斑入りのものは、ウズラバハクサンチドリ(鶉葉白山千鳥)と言われます。その葉がウズラの羽のような斑があるからです。 上の写真のものからそれほど遠くないところに見られたものです。
これは、ランの仲間で、一般の人には、ランというと、胡蝶蘭やシンビジウムのような園芸店によく見られる洋蘭を思いだす人が多いと思います。これら洋蘭はもともと熱帯地方で見いだされたものをもとにして作られています。 日本では野性状態でのランは、採取されることも多く、なかなか見られないものが多いのですが、最も身近なランの仲間は、芝生や空き地に見られるネジバナです。 この写真のハクサンチドリはシベリア地方のような、氷点下数十度になる地域にも咲くということで、 標高も高くて厳しい寒さにもかかわらず、このような美しい花はそれに耐えて生き残ってきたのに驚かされます。 このような野草は外見は弱々しいものですが、他方では、氷雪で何カ月も閉ざされているようなところにあっても、枯れることがないという強靱さを持っています。 その不思議な強さとともに、美しさと清さを持っており、それが人の心を惹きつけるのです。神は、野草やその他の植物にはそれぞれに、弱さのなかにも不思議な強さを与えています。 私たち人間も、さまざまの点で弱さを持っていますが、厳しい試練にも耐えるためには、神に求めて、神からの力を受けないと、植物とちがって、悪の攻撃によって内なるよきものが、枯れてしまうのです。 それゆえに、主イエスも、「求めよ、そうすれば与えられる」と言われたのです。(マタイ福音書7の7) 人間はこうした植物の清い美しさに接することで、神の国の美や清さを知らされ、霊的な力とともに清めをも求めるように導かれます。(写真、文ともT.YOSHIMURA) |
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