カラスウリは、晩秋から初冬にかけて、このように、緑のただなかに、その緑が冬の寒さにおおかた消えてしまったのちも、その鮮やかな朱色の実をとどめて、見る者の目を楽しませてくれます。
緑のなかの赤、それはとてもよく目立つものです。
この実を見つけても高いところや、草木の生い茂るところにあってなかなか採れないことが多いのです。
目で見て、味わってくださいとでもいいたげな様子です。
この実のなかにある種は、かまきりの顔によく似ていて、私も小さい子どものころから、友人たちとこの種を集めてあそんだりしたことを思い出します。
そのころは、この実の色の美しさなどはまるで感じていませんでしたが、いまでは、神の御手による立体的な絵画のような感じを受けます。
この我が家のカラスウリは、だいぶ以前に種を植えてあったらこのように、大きくそだって実をつけるようになったものです。
雑草のただなかから、春に芽を出して、ほかの雑草や木が繁ってくるまえに、懸命にツルを伸ばしてそれらの草木の上部へとめざましく成長し、太陽を光を受けてこのような実を付けるのです。
人間も力を尽くして、天を仰ぎ、神の光を受けることによって、成長し、実を付けることができるのを思わされたことです。