この植物は、1メートル前後になり、しばしば群生して花の季節には、白い花が林立します。
私が、この花を最初に私が見たのは、地元徳島県の最高峰である剣山の標高1500mから上部の特定の山域においてでした。平地では見たことのない白い花がすらりとした茎を立てて上部に真っ白な花が茎をとりまいて咲いている姿は、一見して忘れることのない植物となったのです。
サラシナ(晒菜)とは、若菜を茹でて晒して山菜としたからであり、根の部分は「升麻」と呼ばれる漢方薬になるとあります。
しかし、そうした利用とはちがって、この花をじっと見つめているだけで、私たちの心の栄養となり、薬となるように感じます。
この写真は伊吹山の、標高1300メートルほどの地点に群生していたもので、遠くを見渡しつつ、澄みきった大気を吸いつつ、遠くの青くかすむ山々や大空と語り合っているかのようです。
このような高い山地にあって、冬の氷点下の厳しい寒さや強風にも耐え、独特の純白な花のつけかたとその姿、まっすぐな花茎、下部の大きな葉…一つ一つが、神の無限の英知から生み出されたものなので、見飽きることがありません。
そしてさらに、それらは、見るものにも語りかけてきます。創造主である神の清い言葉、しかもどこまでも深い意味をなげかけつつ、沈黙のなかから、語りかけてくるのです。
(写真・文ともT.YOSHIMURA)
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