春を真っ先に告げるように咲くので、今頃にはことに心に残る樹木の花です。
一つの花の房に七~八個の花がついて、穂のようになり、垂れ下がって咲きます。これは自生しているものが、高知県の一部に見られるのでこのような名前になっています。
山で一番早く、2月ころから咲き始めるのは、マンサクです。
私はかつて京都北山を歩いたとき、まだ木々の芽も出ていない春先に、その花があちこちに静かに咲いているのに出会ってとても印象的でした。
このトサミズキも、マンサク科の植物で、色もともに黄色です。ほかにレンギョウ、オウバイ、サンシュユなど早春に花を咲かせるものには黄色い花が多く見られます。
土佐ミズキ サンシュユも咲きて 黄を競う (水原秋桜子) 梅やスイセン、そしてこのトサミズキのように、寒いころ、あるいは春先に咲かせる花は、春を待ち望む心を表しているとともに、厳しい寒さを超えてようやく暖かい春が来た喜びをも感じさせてくれます。
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