ウツボグサ シソ科 日峰山(徳島県小松島市) 2012.6.10撮影 |
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野生の花としては、大きく、美しいこの花は、6月になると紫色の花がその特徴ある花穂(かすい)に次々と咲いてきます。この色合いや形の美のゆえに、かつて写真雑誌の表紙に大きく取り上げられていたことがあります。唇形の花びらの下部をよくみると、こまかな鋸歯がついているのがわかります。創造主はこのような小さな部分にもその英知をもってなされているのを感じます。 ウツボ(靫)とは、円筒状の矢の入れ物のことで、この花の花穂がそれに似ているからです。 |
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しかし、この花の花穂からは、矢の入れ物とは全くちがって、唇形の花が下 から次々と現れる花の入れ物のようです。このウツボグサは、日本以外にも北半球の温帯に広く分布するとのこと、この花穂は花が終わると、次第に褐色となり、夏枯草(カコソウ)とも言われます。これは、生薬として用いられ、利尿剤として知られ、腎臓炎、膀胱炎などにも用いられ、ヨーロッパにおいても民間薬として、結核や胃腸の病に用いたと記されています。 |
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