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ツバキ(ヤブツバキ) 徳島県小松島市日峰山     2016.3.8

ヤブツバキ

このツバキは、わが家のある山のものです。ツバキの仲間は日本、中国、インドネシアなどに広く分布しています。
ツバキは、日本では北海道以外の各地にみられ、昔から広く親しまれてきた花です。冬の寒さの中で見るこの花は、緑濃く、堅くて厚い葉に似合う厚く、真紅の花びらを付けて、花のない冬の山にあざやかな彩りを添えています。完全な芸術家としての神の御手がこの花にも印象的です。 もう60年以上も昔の子供のとき、山で遊ぶことも多くその折りに、このツバキの花をとってその花の奥にある蜜を吸ってその甘さに不思議な思いをしつつ喜んで取っていたのを思いだします。 この写真のツバキにもヒヨドリが来て、食べ物のほとんどない冬の林での貴重な栄養源としている姿をみました。すでに万葉集の昔から、鑑賞用だけでなく、その材も、種も葉も有用な植物であり、その種から造る椿油は食用のほか、化粧品、薬品、また石鹸などの原料としても用いられる重要なものです。そしてさまざまの品種も造られ200種にも及ぶとのこと。ツバキの仲間として、とくに毎日の食卓に不可欠のものそれは茶です。茶の花やその葉をみれば、すぐにツバキの仲間だとわかります。そしてサザンカもツバキ科の植物として広く親しまれています。

野生のサザンカは、白い花で、部分的に淡い桃色をまじえているとのことですが、写真でみると白い花として見えます。日本では、野生のものは、山口県、四国南部から九州中南部、南西諸島(屋久島から西表島)等に少数みられるだけなので、じっさいにその白い花見たことのある人は少ないのではないかと思われます。

この写真にあるような、山中に咲く野生のツバキ、それは神の直接の作品であるだけに、私にはどのような園芸品種よりも心惹かれるものがあります。この花をじっと見ているだけで、静かに語りかけてくるものがあり、魂の栄養となる思いです。 

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