|
トサミズキ (マンサク科) 春先に咲く樹木の花として、トサミズキは、特に心に春を感じさせてくれる花です。 この自生は、高知県の一部の蛇紋岩や石灰岩地にあるとされ、これは、ミズキの仲間ではありませんが、葉がミズキの葉に似ていることから、トサミズキの名が付けられています。
これは大きな木にはならず、高さは2〜3メートル程度で、写真のように多くの枝分かれをします。 (なお、ミズキ科には、広く知られているハナミズキがあり、これは北アメリカ東部原産で、1912年東京市長がアメリカに、サクラを贈った返礼に贈られたのが最初。さらに徳島市にある眉山(標高277m)にも見られるクマノミズキ、もっと高い山に時折見られるヤマボウシなどいろいろあります。) |
トサミズキの仲間は、19世紀の後半にヨーロッパにも渡り、欧米でも,早春に開花する花木として珍重され、多く栽植されるということです。このうすい黄緑色の花が房状となって次々と咲いていくにつれて、春らしさは次第に実感されるものとなります。
この写真の後方には、白いウメの花も見られますが、ウメとトサミズキはいずれも、まだ緑の新芽はどの木々にも見られないとき、こうしてまず花を咲かせることによって、春を告げようとする神の御心を感じさせてくれます。 冷たい風のなかでもこのように、見つめるものに春だ、いのちの春だ、と多くの花たちがコーラスをしているように次々と咲いていくのです。 このような花の姿、色、たたずまいは、人間の考えたことでなく、まさに神ご自身のお心とご意志の表れで、それゆえに心の目を開いて見る者に、神の深いお心の一端に触れる思いにしてくれます。(文・写真
ともT.YOSHIMURA) |
|
2006年3月 |