ツリガネニンジン

ツリガネニンジン

ツリガネニンジン 徳島県海部郡      2004.11.23

 
この野草はとりわけ秋らしい花であり、晩秋のある日に見出したものです。
秋には青い空と神の深いお心を思いださせるような青い花がいろいろあります。
その中でもリンドウとこのツリガネニンジンの仲間はとくに知られています。
この花はだれにとってもほっとさせるような色合いと姿を持っています。
おそらく遠い昔には、秋になるとこのような野草が野山にたくさん咲き乱れていたであろうし、それによって今日のような娯楽もほとんどなかった一般の人々の心も慰められてきたことだろうと思います。
なお、この花の名は花の形が釣り鐘状であることと、根がチョウセンニンジンに似た太い根を持つことから。別名トトキとは若芽をいい、食用となります。
根は薬草の書物によれば漢方薬として有名で、健胃薬となるとされ、見ても美しく、食べることもでき、かつ薬用にもなるという有用な植物なのです。

 
この植物は、葉は茎の周りを取り巻くようについたり(輪生)、互いに入れ違いについたり(互生)、あるいは向かい合ってつくもの(対生)などいろいろあり、一見別の種類かと思われるほどです。
まここの花の仲間には、高山に咲くものもあり、剣山にもみられます。
またかつて日本最北の礼文島に訪れたとき、そこでは平地に近いところに、本州の高山に咲くこの仲間(ハクサンシャジン)が咲いていたのが印象的でした。

前へ

戻る

次へ

2004年12月