ヤマユリ
(山百合) 山形市から鶴岡市への山道にて 2008.7.25
夏の、東北の高速道路の左右の山沿いなどに多くのヤマユリが咲いていて目を楽しませてくれます。しかし、高速道路上ではゆっくり鑑賞はできなくて、写真も撮ることもできないのですが、これは、山形市から100キロ近く北西に位置する鶴岡市に向かう一般の山道で見かけたものです。夏草の生い茂るなかに、目を覚まさせるような大きな、美しい野生のユリが咲いているのを間近に見るのは初めての経験でした。植物園などで見られるものとちがって、この自然のなかでこのような見事な花を見るのは喜びでした。花の直径は20〜30センチほどにもなり、香りも強く、草丈も大きく1〜2m、花は白い花びらの中央に黄色いすじが入り、花びらには赤みを帯びた斑点が散りばめられています。ユリの女王とも言われるのもうなずけるものがあり、このユリが、江戸時代末期に日本に来たヨーロッパの人たちによってほかのカノコユリやテッポウユリ、ササユリなどとともにとくに強い印象を与え、彼らが持ち帰ってさまざまのユリを作り出したと言われています。
その一つが、有名名なカサブランカというユリです。しかし、人工的に作り出されたユリにはない深みのある味わいがこうした野生のユリには感じられます。なお、英語名は、Golden-Rayed Lily of Japan と言います。これは、金色の放射条のすじの入ったユリ という意味で、とくに花びらの中央に入っている黄色いすじも印象的であったのがうかがえます。
このユリは、カノコユリやテッポウユリなどと共に世界で最も美しいユリとされていて、このようなユリがほかの夏草とともに自然に生えている姿はとても印象的でした。
このようなさまざまの点で心を引く植物を創造される神は、正義や憐れみといった点だけでなく、かぎりない美をも持っておられるお方なのだと感じます。 (写真、文ともに T.YOSHIMURA)
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