イワギキョウ (キキョウ科) 北海道 大雪山(黒岳頂上)2009.7.21
この写真だけを見ると、どこかの家の花壇のように見えるかもしれません。しかし、これは厳しい寒さや風雪にさらされる北海道の高山の山頂部に見られた小さな天然の花畑なのです。
この花は、まだ雪の残る頂上の砂礫地(下の写真の頂上標識のすぐ右側10数mほどの所)に、10センチほどの低い花茎を出して他の植物とともに咲いていたのです。雨が少し降ったので、このように水を受けています。キキョウ科の花は美しい青色や青紫をしているのが多いのですが、このも、コバルトブルーの青色が美しい花です。
これは、北海道や本州の中部以北の高山に見られるものです。日本以外にも北アメリカ、北太平洋のアリューシャン列島など寒地の岩の割れ目や砂礫地に見られると記されています。
この写真のものは、大雪山系・黒岳頂上(標高1984m)に咲いていたのですが、何のさえぎるものもない頂上で、風雪が激しく、かつ土地も小石状でありどこから見ても、植物の生育には十分でないと思われるようなところに美しく咲いていました。
植物の生育というと、暖かく、日がよくあたり、肥料もあり、土も柔らかなところがよいと思われますが、この植物のように、緯度の高い地方である上、さらに高山の厳しい寒さと風の吹く岩の間や砂礫を好んで咲くものもあり、創造の不思議を思います。人間においても、よい家庭で健康で能力も恵まれていれば、それはとくに感謝すべきことで、神はそうした人ももちろん用いられますが、貧しく、暗い家庭、混乱した状況のただ中にあっても、神は恵みを注ぎ、その歩みを祝福されて、神に用いられる人となっていった例も無数にあります。主イエスは、「ああ、幸いだ、心の貧しきもの、悲しむものは!
」と言われました。貧しさや悲しみ深いところにこそ、かえって神の祝福の花が咲くのだというのです。(文、二つの写真とも
T.YOSHIMURA)
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