この花は、北海道と本州中部以北の高山に生える常緑の多年草で、その名のとおり、葉が三つ葉となっています。植物学的には、白い花びらと見えるものが、萼片(がくへん)で、一般に花びらといわれる花弁は、黄色い小さな雄しべの花粉のように見えるものです。高さは5~10センチ程度、花も1センチほどの小さな植物です。 白と黄色の単純な配色ですが、多数の雄しべや花びらなどのつくりに繊細かつ清い雰囲気をたたえています。
このような可憐な花が、東北や北海道の高山の厳しい寒さに耐えて咲く―ということは、とても不思議なことです。
弱々しく見えるものなのに、厳しい寒さと風雪、大量の積雪等々に耐えてはるかな古代から生き延び、そこで繁殖してきた強靭さを思わせます。
これらは、神が計り知れない英知と御計画をもって太古の昔に創造され、このような弱いと見えるなかに驚くべき力を与えられたわけです。
神は人間にもそのようなこと―弱いと見えるところに力を与えられることが記されています。
…主は、言われた、「わたしの恵みはあなたに十分である。
力は弱さの中でこそ十分に発揮される。」(新約聖書 Ⅱコリント12の9)
いかに弱く、力ないものであっても、そこからキリストを仰ぎ、求めるときには、その弱さのただなかに神の力が与えられるという約束は私たちにとってまさに福音です。(写真、文ともにT.YOSHIMURA)
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