チングルマ (大雪山 2017.7.18)

チングルマとは、稚児車(チゴグルマ)から出た名前で、花が終わったあと、その実(花柱)が伸びて風車のように見えることからと言われています。 これは高さ10cm前後、3cmほどの白い花で花びらは5枚。中部地方のの高山から北海道、アリューシャン、カムチャッカなどに見られる花で、しばしば群落をつくります。 上の写真は、大雪山の数百メートルに及ぶと思われる広大な群落で、天然の雄大な花畑です。この花は、雪渓の周辺などでよく見られますが、この写真の地域は、冬には厚い雪で覆われ、その下で長い期間を眠り続けて、初夏になって雪解けが終わるころに成長して一斉に花を咲かせます。このチングルマだけを、ここに特別に咲かせているかのような、そのような気持ちになるほどにこのあたり一面にこの花が広がっているので、神の見えざる御手によって手入れされた感がします。
 チングルマ (大雪山 2017.7.18)
  北方の厳しい環境にて咲くこの花は、夏の数カ月花を咲かせて種をつくり拡散させて雪に埋もれていきます。神はどんな厳しい状況にあっても驚くべき清いもの美しいものを生み出すことができるのを実感させてくれます。
   人しれず奥地の高山に咲く花々、神ははるかな古代から、このように清く、美しいものを世界に至るところに創造され、人間の心にもその一部を注いでこられたのを思います。      (文、写真ともT.YOSHIMURA 
前へ TOPへ戻るボタン。 次へ