クルマユリ(車百合)  秋田駒ヶ岳(標高 1377m )から湯森山への縦走路にて 2016.7.30 撮影

 クルマユリは、日本各地に広く分布するオニユリに似た花を付けますが、葉が写真のように、放射状に、車の輻(中心から放射状に出ている棒)のようになっているのでこの名前がついています。

  この写真のものは、秋田駒ヶ岳からほとんど人が歩いていない縦走路から少し脇道に入ったところで見いだしたものです。

  オニユリは、日本各地の平地に広く見られるのですが、この  クルマユリは、寒冷な地域のもので、本州の中部から東北などの深山~北海道の山、さらに千島や樺太等に見られるものです。(徳島の剣山などにもあるとされるが稀。)

どこにでも見られるものでなく、何時間も歩いてもどこにも見られないことが多いです。
同じように、平地でなく山地に見られる似たような色のユリに、コオニユリがあり、その名のように小さく、オニユリのようにムカゴを付けないで種で増えるということです。オニユリはムカゴが落ちると次々と発芽して、毎年増えていきますが、このクルマユリはムカゴもなく、そのように増えないのです。

緑の山野を歩き続け、時折珍しい高山性の花々が見られるなかで、ただ一株だけこのクルマユリが咲いていた。ずっと以前に十和田湖への山道でやはり一株だけ咲いていたのが印象的でした。(幾つかの県では絶滅危惧種に指定されています)

北海道では低い山でも見られ、以前に小樽市の低い山で見かけたことがあります。

  このように、ただ一株、赤橙色(オレンジ色)の花が、緑の草原、山野で咲いているのはとても目立つものです。このような花が一輪咲いているだけで、その周囲の自然がいっそう引き立ちます。

この世界においても、キリストという大いなる花が咲いているだけで、全世界がうるおされてきたのを思います。(文、写真ともT.YOSHIMURA

クルマユリ(車百合)
秋田駒ヶ岳(標高 1,637m )から湯森山への縦走路にて 2016.7.30 撮影  
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