イザヤ書
19章〜20章

「エジプトへの裁きとその救いの日」
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新共同 イザ 19:1-25

19:1 エジプトについての託宣。見よ、主は速い雲を駆って/エジプトに来られる。主の御前に、エジプトの偶像はよろめき/エジプト人の勇気は、全く失われる。

19:2 「わたしは、エジプトをエジプトに刃向かわせる。人はその兄弟と、人はその隣人と/町は町と、国は国と戦う。

19:3 エジプト人の思いは、胸の中に乱れる。わたしが、その謀を乱すので/彼らは、偶像と死者の霊/口寄せと霊媒に指示を求める。

19:4 わたしは、エジプトを/過酷な支配者の手に渡す。厳しい王が、彼らを治める」と/万軍の主なる神が言われる。

19:5 海の水は涸れ/川の流れは尽きて干上がる。

19:6 運河は悪臭を放ち/下エジプトの支流は細り、乾いて/葦やよしも枯れ果てる。

19:7 ナイルの河口のいぐさも/川沿いに蒔かれたすべての草も/枯れ、吹き飛ばされて、消えうせる。

19:8 漁師は嘆き、悲しむ。ナイルに釣り針を投げる者も/水の面に網を広げる者もすべて衰える。

19:9 亜麻布を造る者はうろたえ/梳く女も、織る男も青ざめ

19:10 紡ぐ者も打ちのめされ/雇われて働く者は皆、苦しむ。

19:11 ツォアンの司たちは、まことに無知だ。ファラオの賢者、参議らは、愚かな謀を立てる。どうして、お前たちはファラオに言えようか。「わたしは賢者の子です/遠い昔の王たちの子孫です」と。

19:12 どこにいるのか、お前の賢者たちは。彼らに命じて、お前に告げ知らせよ/万軍の主が、エジプトについて定められたことを。

19:13 ツォアンの司たちは愚かである。メンフィスの司らは欺かれ/諸州の長はエジプトをよろめかせた。

19:14 主は、彼らの間に迷わす霊を注がれた。彼らは、エジプトをよろめかせ/エジプトが何をするときにも/酒飲みが吐くときのように、よろめかせた。

19:15 もはやエジプトでは、だれも何もなしえない。頭であれ尾であれ/しゅろの枝であれ葦の茎であれ。

◆終わりの日の和解

19:16 その日には、エジプトは女のように弱くなり、万軍の主が振りかざされる御手に恐れおののく。

19:17 ユダの地は、エジプトを混乱に陥れるものとなる。それを思わせるものは何であれ、エジプトを恐れさせる。万軍の主がエジプトに対して事を謀られるからである。

19:18 その日には、エジプトの地に五つの町ができる。そこでは、カナンの言葉が語られ、万軍の主に誓いが立てられる。その町の一つは、「太陽の町」ととなえられる。

19:19 その日には、エジプトの地の中心に、主のために祭壇が建てられ、その境には主のために柱が立てられる。

19:20 それは、エジプトの地において、万軍の主を指し示すしるしとなり、証しとなる。もし彼らが、抑圧する者のゆえに、主に叫ぶならば、主は彼らのために救助者を送り、彼らを救われる。

19:21 主は御自身をエジプト人に示される。その日には、エジプト人は主を知り、いけにえと供え物をささげ、また主に誓願を立てて、誓いの供え物をささげるであろう。

19:22 主は、必ずエジプトを撃たれる。しかしまた、いやされる。彼らは主に立ち帰り、主は彼らの願いを聞き、彼らをいやされる。

19:23 その日には、エジプトからアッシリアまで道が敷かれる。アッシリア人はエジプトに行き、エジプト人はアッシリアに行き、エジプト人とアッシリア人は共に礼拝する。

19:24 その日には、イスラエルは、エジプトとアッシリアと共に、世界を祝福する第三のものとなるであろう。

19:25 万軍の主は彼らを祝福して言われる。「祝福されよ/わが民エジプト/わが手の業なるアッシリア/わが嗣業なるイスラエル」と。 

新共同 イザ 20:1-6

20:1 アッシリアの王サルゴンに派遣された将軍がアシュドドを襲った年のことである。彼はアシュドドと戦い、これを占領した。

20:2 それに先立って、主はアモツの子イザヤを通して、命じられた。「腰から粗布を取り去り、足から履物を脱いで歩け。」彼はそのとおりにして、裸、はだしで歩き回った。

20:3 主は言われた。「わたしの僕イザヤが、エジプトとクシュに対するしるしと前兆として、裸、はだしで三年間歩き回ったように、

20:4 アッシリアの王は、エジプトの捕虜とクシュの捕囚を引いて行く。若者も老人も、裸、はだしで、尻をあらわし、エジプトの恥をさらしつつ行く。

20:5 彼らは自分たちの望みをかけていたクシュのゆえに、誇りとしていたエジプトのゆえに、恐れと恥をこうむるであろう。」

20:6 その日には、この海辺の住民は言う。「見よ、アッシリアの王から救われようと助けを求めて逃げ、望みをかけていたものがこの有様なら、我々はどうして逃げ延びえようか。」