イザヤ書
32章1節〜14節

「荒野を流れる水路のように」
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新共同 イザ 32:1-14

32:1 見よ、正義によって/一人の王が統治し/高官たちは、公平をもって支配する。

32:2 彼らはそれぞれ/風を遮り、雨を避ける所のように/また、水のない地を流れる水路のように/乾ききった地の大きな岩陰のようになる。

32:3 見る者の目は曇らされず/聞く者の耳は良く聞き分ける。

32:4 軽率な心も知ることを学び/どもる舌も速やかに語る。

32:5 もはや、愚かな者が高貴な人とは呼ばれず/ならず者が貴い人と言われることもない。

32:6 愚かな者は愚かなことを語り/その心は災いをたくらむ。神を無視し、主について迷わすことを語り/飢えている者をむなしく去らせ/渇いている者の水を奪う。

32:7 ならず者の手管は災いをもたらす。彼は謀をめぐらし/貧しい者が正当な申し立てをしても/乏しい者を偽りの言葉で破滅に落とす。

32:8 高貴な人は高貴なことをはかり/高貴なことを擁護する。

◆憂いなき女たち

32:9 憂いなき女たちよ、起きて、わが声を聞け。安んじている娘たちよ/わが言葉に耳を傾けよ。

32:10 安んじている女たちよ/一年余りの時を経て/お前たちは慌てふためく。ぶどうの収穫が無に帰し/取り入れの時が来ないからだ。

32:11 憂いなき女たちはおののく/安んじている女たちは慌てふためく。衣を脱ぎ、裸になって/腰に粗布をまとえ。

32:12 ぶどう畑のために、胸を打って嘆け/美しい畑、実り豊かであったぶどうの木のために

32:13 茨といらくさに覆われたわが民の畑のために/喜びの家、陽気な町のために。

32:14 宮殿は捨てられ、町のにぎわいはうせ/見張りの塔のある砦の丘は/とこしえに裸の山となり/野ろばが喜び/家畜の群れが草をはむ所となる。