イザヤ書
38章1節〜16節

「王の切実な祈り」
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新共同 イザ 38:1-16

38:1 そのころ、ヒゼキヤは死の病にかかった。預言者、アモツの子イザヤが訪ねて来て、「主はこう言われる。『あなたは死ぬことになっていて、命はないのだから、家族に遺言をしなさい』」と言った。

38:2 ヒゼキヤは顔を壁に向けて、主にこう祈った。

38:3 「ああ、主よ、わたしがまことを尽くし、ひたむきな心をもって御前を歩み、御目にかなう善いことを行ってきたことを思い起こしてください。」こう言って、ヒゼキヤは涙を流して大いに泣いた。

38:4 主の言葉がイザヤに臨んだ。

38:5 「ヒゼキヤのもとに行って言いなさい。あなたの父祖ダビデの神、主はこう言われる。わたしはあなたの祈りを聞き、涙を見た。見よ、わたしはあなたの寿命を十五年延ばし、

38:6 アッシリアの王の手からあなたとこの都を救い出す。わたしはこの都を守り抜く。」

38:7 ここに主によって与えられるしるしがあります。それによって、主は約束なさったことを実現されることが分かります。

38:8 「見よ、わたしは日時計の影、太陽によってアハズの日時計に落ちた影を、十度後戻りさせる。」太陽は陰の落ちた日時計の中で十度戻った。

38:9 病気であったが、その病気が治って命を得たユダの王ヒゼキヤの記した歌、ミクタブ。

38:10 わたしは思った。人生の半ばにあって行かねばならないのか/陰府の門に残る齢をゆだねるのか、と。

38:11 わたしは思った。命ある者の地にいて主を見ることもなくなり/消えゆく者の国に住む者に加えられ/もう人を見ることもない、と。

38:12 わたしの生涯は羊飼いの天幕のように/引き抜かれ、取り去られてしまった。わたしはわたしの命を織物のように巻き終わり/糸から切り離されてしまった。昼も夜も/あなたはわたしの息の根を止めようとされる。

38:13 夜明けまでわたしはそれを甘んじて受け/獅子に砕かれるように/わたしの骨はことごとく砕かれてしまう。昼も夜も/あなたはわたしの息の根を止めようとされる。

38:14 つばめや鶴のように/わたしはすすり泣きの声をあげ/鳩のようにわたしは呻く。天を仰いでわたしの目は弱り果てる。わが主よ、わたしは責めさいなまれています。どうかわたしの保証人となってください。

38:15 わたしは何と言えば答えてもらえるのか/そのようなことをなさる主に。わたしは心に苦痛を抱きながら/すべての年月をあえぎ行かねばならないのか。

38:16 主が近くにいてくだされば、人々は生き続けます。わたしの霊も絶えず生かしてください。わたしを健やかにし、わたしを生かしてください。