申命記講話

1章節1-28節
「恐れるな」
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新共同 申  1:1-28

1:1 モーセはイスラエルのすべての人にこれらの言葉を告げた。それは、ヨルダン川の東側にある荒れ野で、一方にパラン、他方にトフェル、ラバン、ハツェロト、ディ・ザハブがあるスフに近いアラバにおいてであった。

1:2 ホレブからセイルの山地を通って、カデシュ・バルネアまでは十一日の道のりである。

1:3 第四十年の第十一の月の一日に、モーセは主が命じられたとおり、すべてのことをイスラエルの人々に告げた。

1:4 モーセがヘシュボンに住むアモリ人の王シホンを撃ち、アシュタロトに住むバシャンの王オグをエドレイで撃った後のことであった。

1:5 モーセは、ヨルダン川の東側にあるモアブ地方で、この律法の説き明かしに当たった。

◆主の命令と約束

1:6 我々の神、主はホレブで仰せになった。「あなたたちは既に久しくこの山にとどまっている。

1:7 向きを変えて出発し、アモリ人の山地に行き、更にその近隣地方、すなわちアラバ、山地、シェフェラ、ネゲブ、沿岸地方に行きなさい。更にカナン人の土地、レバノン山、大河ユーフラテスにまで行きなさい。

1:8 見よ、わたしはあなたたちにこの土地を与える。」あなたたちは行って、主が先祖アブラハム、イサク、ヤコブに、彼らとその子孫に与えると誓われた土地を取りなさい。

◆役職者の任命

1:9 そのころ、わたしはあなたたちに言った。「わたしは、ひとりであなたたちの重荷を負うことはできない。

1:10 あなたたちの神、主が人数を増やされたので、今やあなたたちは空の星のように数多くなった。

1:11 あなたたちの先祖の神、主が約束されたとおり、更に、あなたたちを千倍にも増やして祝福されるように。

1:12 しかし、どうしてひとりであなたたちの重荷、もめ事、争いを負えるだろうか。

1:13 部族ごとに、賢明で思慮深く、経験に富む人々を選び出しなさい。わたしはその人たちをあなたたちの長としよう。」

1:14 あなたたちがわたしに答えて、「提案されたことは結構なことです」と言ったので、

1:15 わたしは、あなたたちの部族の長で、賢明な経験に富む人たちを選んで、彼らをあなたたちの長、すなわち千人隊長、百人隊長、五十人隊長、十人隊長とし、また、あなたたちの部族の役人とした。

1:16 わたしはそのとき、あなたたちの裁判人に命じた。「同胞の間に立って言い分をよく聞き、同胞間の問題であれ、寄留者との間の問題であれ、正しく裁きなさい。

1:17 裁判に当たって、偏り見ることがあってはならない。身分の上下を問わず、等しく事情を聞くべきである。人の顔色をうかがってはならない。裁判は神に属することだからである。事件があなたたちの手に負えない場合は、わたしのところに持って来なさい。わたしが聞くであろう。」

1:18 わたしはそのとき、これらすべてのことをあなたたちのなすべきこととして命じた。

◆偵察隊の報告と民の不信

1:19 我々は神、主が命じられたとおり、ホレブをたち、あなたたちが見たあの広くて恐ろしい荒れ野を通り、アモリ人の山地に至る道を、カデシュ・バルネアまで来た。

1:20 わたしが、「あなたたちは、我々の神、主が与えられたアモリ人の山地まで来た。

1:21 見よ、あなたの神、主はこの土地をあなたに与えられた。あなたの先祖の神、主が仰せになったとおり、上って行って取りなさい。恐れてはならない。おののいてはならない」と言うと、

1:22 あなたたちはそろってわたしのもとに来て、「まず人を派遣し、その土地を探らせ、我々がどの道を上り、どの町に行くべきか報告させましょう」と言った。

1:23 それは名案だと思われたので、わたしは各部族から一人ずつ、合わせて十二人を選び出した。

1:24 彼らは出発し、山地に上り、エシュコルの谷に着きそこを偵察し、

1:25 その土地の果実を取って持ち帰り、「我々の神、主が与えてくださる土地は良い土地です」と報告した。

1:26 しかし、あなたたちは上って行こうとはせず、あなたたちの神、主の命令に逆らって、

1:27 天幕にとどまって不平を言い合った。「主は我々を憎んで、エジプトの国から導き出し、アモリ人の手に渡し、我々を滅ぼそうとしておられるのだ。

1:28 どうして、そんな所に行かねばならないのだ。我々の仲間も、そこの住民は我々よりも強くて背が高く、町々は大きく、城壁は天に届くほどで、しかもアナク人の子孫さえも見たと言って、我々の心を挫いたではないか。」