1 フユイチゴ
草花の少ない冬の野山に
きらりと光る
赤い輝き
フユイチゴの実は星のよう
悲しみの多いこの世の中で
きらりと光る
清い輝き
真実な祈りは星のよう
嘆き、あざけり、喧噪の中で
きらりと光る
優しい輝き
主にある笑顔は星のよう
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フユイチゴ |
2 夕暮れの雲
夕暮れの雲の色を
こんな優しい薄紅色に神様が決めたわけは
人の一日の悲しみをご存じだからでしょう。
神を仰がずこの世に縛られ
心騒がせ一日が終わる
うなだれて帰路につく人の群れに
見上げれば
神の愛があるのだと
繰り返し大空に描かれる
神様からのメッセージ
夕暮れの雲の色を
こんな優しい薄紅色に神様が決めたわけは
変わることのない愛が確かにあるのだと
語り続けて下さる神様の悲しみ
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夕暮れの雲 |
3 アカネ
白い清楚な
目立たないこの花の根が
紅い色の染料になるという
大きな花をつけるでもなく
紅い花を咲かせるでもなく
静かに
地の下にしまっておいた神様への思いが
あふれ出して
茜の色になったのかもしれない
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