福音 №369 2019年2月
「主の祈り」
神様はシンプルに造られた。
庭に咲いたアネモネの花、
シリウスの光。
人の心も、もっとシンプルであれば、
もっと美しく生きられるのに。
「主の祈り」について、
いろいろな訳があるけれど、どれがいいかなぁと考えていて、
日曜日に子供たちと歌う
♪天にいますわたしたちの父(讃美歌21-62)を、歌ってみた。
シンプルで、これがいいと、心を込めて歌った。
何度も何度も歌っていると、
イエス様はこんなシンプルなことを祈れと言われたのだと、うれしくなってきた。
☆天にいますわたしたちの父、 わたしたちの主よ、
みながあがめられますように、わたしたちの主よ。
天にいらっしゃるのは、わたしたちのお父さん。子供たちのことを誰よりもよく知っておられ、地球にどんなにたくさんの人がいても、その一人一人を名をもって呼んでくださるお方。たとえ名前のない人がいても、天のお父さんはその人の名を知っていて、呼んでいてくださる。わたしだけのお父さんではない、わたしたちみんなのお父さん。だからわたしたちは兄弟姉妹。なんとうれしいことかと、胸がいっぱいになる。
「み名があがめられますように」と心から祈ることは、「心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして、あなたの神である主を愛しなさい」という、キリストの言葉を生きること。自分ではとてもできないけれど、お父さま、そうさせてください。
この祈りには「ついにはあがめられるように、あなたの名が」という終末的な響きがあると知って、世の終わり、すべてのものが裁かれる時、父なる神のみ名だけがあがめられる「キリストの日」を思い、この祈りがますます慕わしくなった。眠る前に、目覚めた時に「みながあがめられますように、わたしたちの主よ」と心込めて歌おう。
☆み国が来ますように、 わたしたちの主よ、
あなたの国がきますように、わたしたちの主よ。
父なる神の国、「神が人と共に住み、人は神の民となる。神は自ら人と共にいて、その神となり、彼らの目の涙をことごとくぬぐい取ってくださる。もはや死はなく、もはや悲しみも嘆きも労苦もない」国。(黙示録21:3-4) キリストの十字架が土台となり、「神様、罪人のわたしを憐れんでください」と嘆き祈るすべての人のために開かれた国。
「『然り、わたしはすぐに来る』アーメン、主イエスよ、来てください」と、天にも地にも響き渡る声を聞きながら、「あなたの国が来ますように、わたしたちの主よ」と祈る。
☆みこころが天と同じく、 わたしたちの主よ、
地でも行われますように、 わたしたちの主よ。
そうだった。キリストはこの地でも「み心が行われますように」と祈られた。
「父よ、あなたは何でもおできになります。この杯(十字架)をわたしから取りのけてください。しかし、わたしが願うことではなく、御心に適うことが行われますように。」マルコ14:36
天の父のみ心を求めて歩みむ道、それが御国への道。「み心が行われますように」と祈る時、み心を行う力を与えてくださる主と共に歩む道。
ここまでは、み名とみ国とみ心と、神様を求める祈り。ここからは、パンと赦しと悪からの守りと、私たちのための祈りです。
☆今日のパンを今日この日に、 わたしたちの主よ、
わたしたちに与えてください、 わたしたちの主よ。
「わたしたちに与えてください」とは、わたしだけでない、家族だけでない、日本だけでもない、神様に造られたすべてのわたしたちに「今日のパンが与えられるように」と祈ること。「もし貧しい人びとが飢え死にするとしたら、それは神がその人たちを愛していないからではなく、あなたが、そしてわたしが、与えなかったからです。神の愛の手の道具となって、パンを、服を、その人たちに差し出さなかったからです。」というマザーテレサの言葉を思い出す。
「与えてください」と祈って与えられた今日の食事なら、そこには感謝があふれるはず。真の祈りは人を造り変える力を持つ。祈っても祈る前の自分と同じなら、祈らなかったのと同じだなあと、しみじみ思う。
☆罪をゆるしてください、 わたしたちの主よ、
わたしたちもゆるしあいます、わたしたちの主よ。
「見よ、世の罪を取り除く神の小羊(キリスト)だ」ヨハネ福音書1:29
これがキリスト教の真髄、神の国の秘儀。
☆試みにあわせないで、 わたしたちの主よ、
悪から救い出してください、 わたしたちの主よ。
この地にある限り、外なる悪も内なる悪も、スキあらばと狙っている。ああ、主よ、あなたから引き離す、いっさいの誘惑からわたしたちを守ってください。片時も離れず、わたしたちと共にいてください。主よ。
☆国も力も栄も わたしたちの主よ、
限りなくあなたのものです わたしたちの主よ。
人間として祈り求めるべき、真の祈りを教えられ、祈ることによって「国も力も栄も、限りなくあなたのものです」と知る喜び、と告白する喜び。
朝はいのりましょう。昼もいのりましょう。
夜もいのりましょう。み名によって。
天のかみさまはおいのりをきいて、
朝も昼も夜もこたえてくださる。
ふくいん子どもさんびか72