秋色深し 1999/10
モズは鳴き、ススキの穂は風に揺れ、クリは実り、柿は色づいている。風もさわやかさを増し、青空にも秋らしさが満ちてきた。自然のたたずまいは、毎年同じように繰り返されていく。そのような自然と比べて、人間の世界では、かつて元気であった人も老年となり、病気がちとなり、さらに先輩も一人去り、二人去っていく。
時間の大きい流れの中で私たちはすべて飲み込まれ、消えていくように見える。
しかし、そのなかで目には見えない大きい流れ、神の国に向かう流れのなかに私たちは活かされていると信じることができるのは何と幸いなことだろう。
すべてのものは、神から出て、神によって保たれ、神に向かっている。(ローマの信徒への手紙十一・36)