休憩室 2002/11
○秋の夜空
最近、夜明けには「明けの明星」として知られる、金星が夜明け頃に輝いています。明け方の静まった大気のなか、多くの人たちがまだ目覚めていないときに、夜空の闇にひときわめだって輝いているのが、金星です。明け方に戸外に出て、星をしずかに眺めるということはほとんどの人にとっては、経験していないことと思います。
しかし、明けの明星をまだ見たことのない人は、ぜひ夜明け前の五時半ころに起き出して、東の空を見ることをお勧めします。星座にはまったく分からないという人でも、必ずただちに見付かる強い輝きです。古代からそれは見る人に特別な感慨を起こさせてきた星であり、人間のちいさな小さな世界から翼を与えられるような、人間世界とは別の国からの輝きのような気がするほどです。それはじっとまばたくことなく、私たち人間を見つめるかのようです。
聖書の最後の書である黙示録には、つぎのように記されています。
…わたし、イエスは使いを遣わし、諸教会のために以上のことをあなたがたに証しした。わたしは、ダビデのひこばえ、その一族、輝く明けの明星である。(黙示録二二・16)
なお、まだ夜明け前の暗いうちなら、その金星のすぐ上に、金星ほどではないけれども赤く輝く星が見えます。それが火星です。
また、土星は、夜中に見えてくるオリオン座のすぐ上に見えます。木星は、ややはなれて、東から登ってきます。